五馬図巻 | sabのゆったり茶館

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年度末の多忙を縫って、東京国立博物館に行くことを画策中です。


というのも、五馬図巻が現在、東京国立博物館に展示されているからです。




平成館で開催中の唐代の書家、顔真卿展。

この中に、なぜか宋代の李公麟筆とされる五馬図巻が出品中。


どうも顔真卿の流れにあるとされる黄庭堅の跋文(巻物の後の方に書いてある詩文等)が、五馬図巻にもあるので、その展示のため、跋文だけでなく本図も出る模様。





李公麟という画家は、北宋末期の士夫で、蘇軾や米芾と並んで、初期文人画家のひとりとして有名です。

彼の描いた羅漢図は、後に李龍眠様羅漢として有名になり、日本にも広がっていきます。





(写真はすべてネットから拝借しました)

しかし李龍眠様羅漢にしても、それ以外の作品にしても李公麟の真筆として広く認定されているものは、この五馬図巻しかありません。


ところがこの五馬図巻は、永らく清朝の内府に伝わった名品なのですが、辛亥革命のゴタゴタで日本に流出し、第二次大戦で行方不明になってしまいました。



戦災で焼けたとも言われ、唯一の李公麟画真筆と言われながら、戦前の一部の研究者、ディーラー、好事家しか見たことがない、幻の名品だったのです。


それがどうしたことか突然現れ、いつのまにか東京国立博物館の所蔵になっているではありませんか( ̄◇ ̄;)。




だいたい北宋末期といえば、いまから1000年近く前。
日本で言えば平安時代のなかば。


日本でもこの時代の絵画は、仏画以外はほとんど残っていません。

有名な源氏物語絵巻や鳥獣戯画でも院政期、12世紀のものです。


そもそも絵を描く土台である絹や紙の繊維は、通常の保存状態では800年から1000年で寿命を迎え、絵としての体裁を保てなくなります。

触ったらボロボロ崩れるような状態ですね。

だからこそ、1300年前の正倉院絵画は、存在しているだけで奇跡なのですが。


ましてやモノが残らない中国。

本当に北宋時代の李公麟画があるのか?



これは行って見て、確かめなければいけません(^.^)。






(^_^)☆