お客さんが次々といらっしゃった。
あばれ祭りももう終盤だ。
「ヨバレ」は主婦のクライマックスだ。
あとで数えると、今年は11人おいでたことになる。
山にあがってから、遠くなったのか、あまりおいでなくなった。
キリコが動く時間などを考えると、遠い家は、はしょられるか。
坂段の上でのヨバレはすごかった。
何十人単位だった。
通りがかっただけの人も入ってもらったことがある。
なんだかとても少なくなってしまった。
手土産にビール1ケース、能〇ワイン、おだんごなどいろいろいただいてしまった。
本当はお土産など不要なのである。
来ていただければそれでいいのである。
「ようこそ」とお迎えしておあがりいただく。
主に会社でお世話になっている方や、同級生や後輩、幼馴染の方々。
酒の癖の悪い父が起きてこないかとハラハラした。
なんとか台所に立ちっぱなしにならないように気をつけた。
夜8時ごろ。
主人は「神輿」へ行くべく自らのオミコシをあげた。
サラシを巻いて、と言う。
この祭りで何回目かのサラシを巻いた。
主人がぐるぐると回り、わたしはサラシを引っ張るのだ。
かねて用意してあった「さるまた」のような物をはく。
白いうすい短パンのような物もはく。
キリコや町内まわりなどで疲れているだろうに。
厳しい目つきでお旅所へ去っていった。
主人のいなくなったヨバレの席は、ホスト役がいなくなったわけだから、なんだか紹介者のいなくなった合コンのようになってしまう。
それでもオトナの集まりだから、なんやかんやと会話はつづく。
ここからは私の実家の母に接待を助けてもらう。
起きてきた父はオハナシにならない。
お父さんと何という違いだろう。
お客さまの目の奥がかげってきたころ、〇段の家のお母さんから電話が掛かってきた。
「○○ちゃん?お父さんとお母さんを神輿に案内する?わたしそっちに行くよ。」
接待を代わってくださった。
とてもとてもホッとした。
ありがたかった。
ひたすらお母さんがこられるのを待つ。
長かった・・・。
おいでた時はただひたすらありがたかった。