今回はここで、デパートにでも出掛けるような服装の、60年配のおばちゃんと出会う。スカート、ストッキング、ミュール姿だ。まさか、とは思ったが、速い。四番さん、五番さんと、若い私とまったく同じペースである。7月ほどではないが、炎天下のお昼12時。おばちゃんは地図を持たず、道しるべも見ず・・・・・・「年とって目が悪いから」・・・・・・・なんか、依頼心丸出しの人であった。四番さんで、私が持参したお茶をちびちび飲んでいると、納経所のほうから

「自販機はないんですかッ!」

と横柄な声が聞こえた。

「自販機はありませんッ!」

高飛車な返答があったが、やむを得ないだろう。

その後、おばちゃんは木陰で、納経所の人にも、その近くに居た私にも(境内には私しかいなかった)聞こえるように、わざとらしく鼻をすすっておいでた。泣いているらしい。お茶を差し上げたらいいのだろうか・・・。


お接待は宛てにするものではない。

でもつい宛てにしてしまうのではないか。

私、おへんろ時代もそうだが、日常でもそんな期待しているのではないだろうか。