とくに基本的な金融商品といわれているCDS(Credit Default Swap)取引のわかりにくさ、そしてその破綻によって何が起きるのかが想像できない不気味さはなんとも言えません。
不都合な事態に対して保険をかけるのは広く一般的に行われています。車の保険もそうですし、生命保険も同様です。企業が発行する債券などの債務不履行のリスクに対しても、保険をかける行為が行われるのは自然なことと思います。しかし、その保険料収入と債務不履行時の保証金を支払う保証金リスクを天秤にかけて商品化するとは、まあなんと複雑なことを考えたものだと感心しました。
債券を発行した企業が安定ならば、リスクを買い取った第3者には(CDSの売り手側になりますが)、保険の掛け金が定期的にまるまる収入として入ってきます。しかしその企業が破綻してしまえば、債権は紙くずとなりCDSの売り手は債務を保証する義務が生じます。
甘い融資条件でお金を貸した金融機関の債権などが証券化されCDS取引が行われ、その融資先が破綻してしまったというのが現在の状況といえるのだと理解しました。その規模はサブプライムローン問題に端を発して、目もくらむほどの金額に膨れ上がっており、世界の大手金融機関がCDS取引に関与していたというのです。金額があまりに大きいので保証金を払うべきCDS売り手が破綻してしまい、保証金が支払われずその結果CDS買い手も破綻する。破綻の連鎖が発生し、当初保険をかけるという根本趣旨からは大きく外れてしまっている状況のようです。
甘い条件で融資された案件に対するCDSについては、保険料は低く保証金は莫大という構造です。少ない資金しか所有していないのに大きな借金の保証人になったようなものです。借金の返済が不能となったとき、もう保証金は払えません。CDSの売り手も破綻し、もともとお金を貸した側もお金が戻らず資金を失い、関係者がみな破綻するということです。保険はもともとこのようなリスクを軽減するための安全の仕組みですが、この仕組みが商品化されたうえに破綻してしまった。安全の仕組みが壊れているので、本当に収拾の結論が見えません。将来どうなるのかわからない。日本の金融機関も深く関与しているにちがいありません。これからその見通しの悪い世界が、ぱっくりと口を開けるのでしょうか。真に寒いです。
にほんブログ村