アメとムチ
人間だけではなくネズミなどの動物でも、罰を与えられる行動を回避するようになり、報酬を与えられる行動を増やすようになる。このアメとムチ(報酬と罰)をうまく使い分けることで、人を動機付けることができる。このアメとムチによる力は、短期的には有効で強力な力である。
このアメとムチによって、動機付けられている人は、報酬を得ることや罰を回避することが目的であり、仕事をするなどの行動はその手段となっている。「動機は不純でも、行動することが大切」と考えれば、「アメとムチ」も大事な動機づけの方法である。しかし、長期的に考えた場合どうだろうか?
以下は、私の経験上の出来事であるが、
1. 罰を何度も受けていると、罰を回避するための努力をせず、罰をやわらげることに努力する。
2. 努力せずに罰を回避することを考えるようになる。罰を回避するために不正をする。
3. 罰を受けることで、自分の努力していないことを正当化する。サボっていても「罰を受ければいいのでしょ」とサボることの言い訳にする。
4. 報酬をいつも受けている人は、それで満足して、「今期は報酬が少なくてもいいや」と、努力しなくなる。
5. 報酬をいつも受けている人は、「報酬を得るためだけに努力していること」に嫌気が差して去っていく。
6. アメとムチによる動機づけを長く受けていると、絶えず誰かが見張っていてアメやムチを与え続けなければ、行動しなくなる。
などのことが、見受けられた。
決してよいことではない。今世間で言われている「成果主義」とは、まさに金銭による「アメとムチ」である。本当にこれを長く続けていいのだろうか?
やはり、「行動することで得られる楽しさや満足感による動機づけ」が必要であろう。