目標の難易度の誤解
目標の難易度設定というと、「低い目標など設定しない、目標とは高いものだ」などの意見があり、目標の難易度設定について、誤解されている部分があるので、ここでもう一度、説明します。
ここで言う難易度とは本人にとってということではなく、本人の格付け等級としてという意味です。
通常、目標は本人にとって、がんばれば達成できる水準を設定するものであり、本人にとってはいつも能力よりはちょっと高い目標水準を設定することが原則です。
すなわち、「目標水準=本人の能力(見込み)+ムリ」ということになり、このムリの部分を何とかしようとすることで、能力開発や業務改善、業績向上につながるわけでです。
したがって、目標水準を設定する際には、本人の格付け等級は参考にするものの、最終的には本人の能力やおかれている環境や見込み等を勘案して、がんばれば何とか達成できそうな水準を設定することになります。
そうなると、客観的に見るれば、能力の高い人は等級に関係なく高い目標、能力の低い人は低い目標となるわけです。
目標設定としてはそれでよいのですが、評価するときの公平感が損なわれることになりますので、その目標は格付け等級としてどうか(難易度)を設定しようというものなのです。
例えば4等級の人が本人の能力が高いことから、5等級相当の目標であっても達成できそうであるということで5等級相当の目標を設定した場合、その目標は本人にとっては適切な目標であっても、本人格付け等級にとっては難易度が高い目標ということになるということです。
その逆に、4等級の人が能力が低いことから3等級の相当の目標を設定した場合、本人にとってはちょうどよいも目標であっても、格付け等級として難易度が低いということになるわけです。