業績連動賞与 | 人事コンサルタントのブログ

業績連動賞与

 賞与支払総額(または1人当たり平均賞与支給額・賞与支給月数)を決めるのに、その都度労使交渉で決めるのではなく、あらかじめルール化した方式により、企業の業績にもとづいて決める仕組みを業績連動型賞与という。

 

 業績連動賞与の「業績」の指標に何を用いるかがポイントになるが、それぞれの企業で色々と工夫する必要がある。

 

 営業利益は「本業の利益」と言われ、従業員の働きや頑張りの成果を経営数値上から測るのに適した指標といえる。

 

 経常利益や当期利益は、企業の財務体質や金利・為替変動、あるいはその期の決算政策といった従業員の働きや頑張り以外の要因が影響するが、市場が企業を評価する際の重要な指標であるという理由から、これらに連動した賞与決定方式を採用する企業もある。

 

 その他、付加価値やキャッシュフロー、売上高や粗利益などの対前期または対予算実績など、労使で算定方式を合意した単数または複数の業績指標を用いる例もある。

 

 いずれにしても、事前に基準と割合を社員に明示することが必要であり、経営数字についても、社員に対してガラス張りにしないと、信頼を得られない。


【いろいろな成果配分方式】


●  売上高基準
 (当期売上高×平均売上高対人件費率-当期既払人件費)×一定率=賞与総原資
 (実際の売上高-予算売上高)×一定率=通常賞与に加算する額

例 従業員50人のA社
 (実際の売上高-予算売上高)×3%=通常賞与に加算する額
 売上予算30億円に対して実際の売上32億円
 600万円が賞与追加原資(一人当たり12万円上乗せ)
 売上予算は前期末に売上計画を作成し、労使で合意


● 付加価値基準 
 当期付加価値×平均(標準)労働分配率-当期既払人件費=賞与総原資

例 従業員100人のB社
 今期売上高40億円、付加価値率25%、平均労働分配率44%の場合
 一人当たりの平均賃金年間320万円
 40億×25%×44%-(320万×100人)=1.2億円
2億÷100人=120万円=一人当たりの平均賞与支給額
 上記式で、当期既払人件費に最低保証の賞与分も含めば
  当期付加価値×平均(標準)労働分配率-当期既払人件費=成果配分額


● 営業利益基準
 6カ月間の営業利益×一定配分率=6カ月間の成果配分額


● 経常利益基準
 当期経常利益×(1-税率)×一定配分率(1/3)=当期の成果配分額
 当期経常利益×一定配分率(1/4)=当期の成果配分額

 

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