サラリーマン金太郎の人事考課 | 人事コンサルタントのブログ

サラリーマン金太郎の人事考課

 一般的な育成型能力主義の人事考課のルールで「サラリーマン金太郎の主人公矢島金太郎」を評価すると、次のような感じかな!?

1.考課対象
 集英社ヤングジャンプC「サラリーマン金太郎」の主人公矢島金太郎さんの読者からみた行動と実績。


2. 主な行動事実(キャラクターの特徴)
 元・関東最大の暴走族「八州連合」二代目総長。何かというと暴力に訴える傾向はあるが、逆に暴力的脅しには屈しないという面も。仕事への取り組みは極めてまじめで、愚直な努力を厭わない。
 とにかく男気あふれる人物で、老若男女を問わず、会う人、会う人を魅了
する。その人柄で築いた人脈が最大の武器。政財界の大物や裏社会のドンみたいな人物とも、すぐマブダチに。もちろん女にもモテモテ。

 

3.人事考課の考え方
 成績考課、情意考課、能力考課の3大項目に分けて人事考課を行う。
 成績考課は期待役割や目標など職務基準の達成度により評価する。
 情意考課は規律性、責任性、協調性、積極性の4つの要素に分けて、行動や態度を評価する。
能力考課は、行動や成果から判定できる能力をわかる範囲で分析的に評価する。
評価は各項目(要素)ごとにSABCD(54321)の5段階で判定し、最後にウエイトを設定して総合評価を計算する。


4.成績考課
 スーパーの件、トンネル工事の件、パチンコ店の件、アラビア王国の件など、その手法はともかく、多大の成果を上げている。したがって成績考課は期待以上「A」と評価する。さらに、彼の役職立場を考えれば、等級以上と判断でなんできるので、チャレンジプラスワンを適用して「S」と判断する。


5.情意考課
 警察沙汰になることがしばしばあり、これは人事考課のというよりは、就業規則の懲罰に当たる内容であるがあえて人事考課に当てはめると、規律性が「D」となる。
 また、同僚等に迷惑をかける行動もあり協調性は「C」とする。
 積極性に関しては、常にプラスαの仕事をしようとしている、また、行ったということで「A」と判断する。
 責任性も、困難を乗り越えて最後までやりぬこうとする姿勢は「A」と評価できる。


6.能力考課
 最初にけんかをふっかけて、最終的に自分の味方にするという手法は素晴らしく、すべて成果に結びついている。折衝力を高く評価したい「S」。
また、リストラ社員をうまくまとめた点やパチンコプロジェクトの点を考慮すると指導力「A」、企画力「A」と評価できる。


7.人事考課の結果

考課項目・要素 評語 ウエイト
成績考課    S(5点)×10%=50
情意考課・規律性 D(1点)×10%=10
情意考課・責任性 A(4点)×10%=40
情意考課・協調性 C(2点)×10%=20
情意考課・積極性 A(4点)×10%=40
能力考課・知識技能 B(3点)×10%=30
能力評価・判断力 B(3点)×10%=30
能力評価・企画力 A(4点)×10%=40
能力評価・折衝力 S(5点)×10%=50
能力評価・指導力 A(4点)×10%=40
総合評価 500点満点で350点、100点満点にすると70点

総合評価の区分を
 S 75点以上
 A 65点以上
 B 55点以上
 C 45点以上
 D 45点未満
とすれば、総合評価70点はAと判定される。
成績考課のウエイトをもっと大きくすると、総合点はもっとよくなる。


8.補足説明
 金太郎も島耕作も他人の協力によって、大きな成果を上げている。したがって、成績考課はほぼ同じである。問題はその協力をどのようにして得たかという点について差が出てくる。
島耕作は、仕事と関係ないところでの女性関係が結果的に仕事にプラス作用したのに対して、金太郎のそれは意図的に自分から相手にけんかを売ったりして、協力関係を作った点がちがう。したがって、島耕作はラッキー、金太郎は折衝力Sと判断した。