D 死を覚悟したとき
飛行機が被雷し、ドカンと爆発音がして光が走ってから、「飛行には支障ありません」との放送がかかるまでの数秒間、「もしかして、墜落するかも」と死を覚悟した。
そのとき思ったのは、一緒に死ぬであろう乗客のことだ。
「隣のひとはまだ若いけれど、子供さんがいるのだろうか、子供が悲しむだろうな」
「向こうの年配の女の人は、お孫さんがいるのだろうか、・・・」 など
ほんの数秒であったが、自分の家族のことより、そばにいる他の乗客の家族のことが気になってしまった。
同じように「死に直面している」という仲間意識が強くなったのであろう。
その後、大丈夫だとわかってからは、他の乗客のことなどまったく気にならなくなったののだが。・・・