トルコ風呂


まだ昔の呼び名だ。


いつからかソープランドに変わっていった。


ネタヤで商売をしていると、トルコ嬢がマムシラーメンを注文する。


それを待ちながら世間話に花も咲く。


「こんなもんでも食べないと体がもたないわよ!」


「大変ね~」


「姐さんには分からないわよ」


そんな会話をしてるうちにマムシラーメンが来る。


一杯3000円のラーメンだ。


なにやら生臭いスープの匂いがしてくる。


トルコ嬢はそのスープを全て飲み干して額に汗をかく。


体中にスタミナエキスが入ったのだろう。


丼を下げて台所に立つと、商売に行く前に一発ヅケるのだ。


シャブ痕の出来た場所に手際よく入れる。


さっきまで高揚していた顔が汗を引き、蒼白になる。


ポンプを立膝で目の前にあるコップの水で洗いながら言う。


「これやらないと痛いのよ・・・・・」


「何が痛いの?」


こんな会話は毎回している。


「ヤクザもんがチンポにタマを入れてるでしょう。金を返すから帰ってくれって言いたいけど商売だからね。痛いともいえないわ」


「そう・・・・痛いのか」


そういい残して颯爽とした女は立ち上がって出かける。


そんな日が1週間に4日ほどあった。


トルコ街はそんな女で賑わっている。


昔のトルコ嬢は多くがヤクザを抱えていた。


亭主の為に体を犠牲にしていたのだ。


今のソープ嬢はブランド品、ホスト通い・・・・・・


中には家族のための借金の支払いに追われて働いてる若い女の子を知っている。


そんなケースは少ないのだろう。


マムシラーメンを食べて、シャブを打って体はガサガサだ。


昔はあまりいいソープを使っていなかった。


それ以前に、トルコ嬢が肌の手入れをしなかった。


疲れ切って、ネタ切れで寝てる時間が長い。


それでもヤクザな亭主は何も言わない。


中には蹴飛ばして

「早く商売に行けよ!!」

と怒鳴る場面も見た。


布団から女の白く細い腕が出てくる。


ヤクザな男は当たり前のように濃い目のシャブを素早く作り、その腕を捉まえて針を刺す。


女はすぐに起きるが、私の顔を見ないで身支度にかかる。


「今日○○を行かせるから、ちゃんとサービスしろよ」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


女は黙ってトルコ風呂に出かけた。



昔の風俗の女は暗かった。


ヤクザな紐に縛られ、シャブに食いつぶされ、身動きが取れるのは客へのサービスの時だろう。


昔のヤクザは簡単に言う「トルコにでも行けよ」


タマが入ってるのは痛いのだ。


私が男のチンポを切ったことがあると書いた。


男がタマを持ってきてソレを入れて欲しいと言うので切ったのだ。


最初は眉毛をカットする小さなハサミを使った。


皮を引っ張りパチンと切れるのかと思ったら切れなかった。


男が痛い思いをしただけだ。


それでも諦めない男は

「剃刀なら切れるだろう。これ入れたらお前気持ちいいからな」


「そうなの」


そんな言葉を聞きながらカミソリを探してた。


血が少し滲んでるチンチンを男は抑えながら

「早くしろよ!!」


「・・・・・・・・・なら、自分でやればいいでしょ!!」


「分かったよ、早く切って入れてくれよ」


また同じところの皮を引っ張ってカミソリで横に切った。


3センチも切れてしまい血が止まらない。


それでも男は言う

「いいから、早くタマを入れろよ!!」


二人ともかなり焦っていた。


私は皮の中の奥の筋肉まで切ってしまった。


そこに仕方ないのでタマを入れてバンドエイドを巻いたが血が止まらない。


しかもタマも出てこない。


翌日、化膿して真っ赤に腫れあがっていた。


半グレの峰雄の話だ。


私が18歳の時の可愛い話です。


その後何人と結婚したか・・・・


どれもこれもタマばかり入ってて、昔のトルコ嬢の言ってたことが身に染みて分かったのだ。


男は本当に女が喜んでいると思ってるのだろうか。


違う!!



入るときにゴリってした感触でまずシラける。


入る時に思わず「いたっ!!」と声をだしてしまう。


私が太平洋なら別な話だ。


気持ちよくも無い。


あれは男の不良品を作ってしまう。


このタマが原因で離婚したのが1人いた。


痛くてセックスレスになってしまったのだ。


私は阿部定の時に書いた、切った話とはこういうことなんです。


くれぐれも誤解の無いように。


しかし生身の人間は切る時に凄くうるさいし騒ぐ。


チン切りは死体に限るのだろうか


*その後タマ入れは切って入れるものではないことをしりました。刺すんですね。