壁際に頭を向けて寝ていた。


なんだか嫌な汗で眼が覚める。


誰かに呼ばれているのだ。


でも薄明るい部屋には誰もいない。


また、そのまま浅い眠りに入ったかと思うと、私の髪の毛を誰かが引っ張る。


何かがおかしい・・・・


私は壁に向いているのに何なんだろう。。。


隣に寝てるひとはあいにくいない。


寂しい一人寝だ・・・・・


無理も無い、ここは独房だ。


そんなこんなで朝方までそんなことが続いた。


翌日、薄気味悪くて私がおかしくなったのかと、看守言ってみた。


笑って取り合ってくれない。


こんな現象が3日も続いた。



これは私が狂ってしまったのか・・・・


拘禁病にでもかかってしまったのか・・・


4日目になったら、何てことだ、顔が壁に浮かんできた。


それも2つの顔だ。


幻覚か?


いやシラフだ。


私はこのときに神も仏も信じなかった。


そうでなきゃ独房などに入れられない・・・・


神様は意地悪。



いい加減に気味悪くなって、また看守に言ったら相手にしてくれない。


モンタージュに書けといわれたら今でも書ける。


そのくらいにインパクトが強かった。


何日かたって、看守に言われた。


「もういないから言うけど、親を殺したのよ」


「えっつ!親殺し?」


「そう」


言葉少なげに話した。


白木の位牌を持って入ってきたのがいたらしい。


私の隣にそんなのが入ってるとは知らなかった。


化けて出るなら方向が逆だろ。


それから眠れない日が数日続いて私は不眠症になっていた。



両親を殺した。


そんな犯人が隣にいたことを知らないのがこんな場所だ。


皆様、隣にはどんな方が住んで居られますか・・・・・



それ以降、金縛りにあったら、「南無阿弥陀仏。アーメン」などと心の中で唱えてる私がいる。


なんとも風見鶏のような私だ。



今は神の領域までお邪魔したい気分だ。



*次回は伝説のヤクザについて数回にしてお話しします。