遅ればせながら、今年も宜しくお願い申し上げます。
ウィズコロナでスタートした2021年。
このウィルスがもたらす日常生活への影響は計り知れない。
しかし、ピンチはチャンス、人間というのは考え方一つでどうにでもなる。
一人で過ごす機会が多くなったコロナ禍で、自分の事をたくさん考えるチャンスが訪れた。
そして、色んな欲やモノにまみれていた事にも気付いた。
自分にとって、本当に必要な物、大切な人、大事なことを取捨選択する感覚が湧いてきた。
『唯我独尊』、自分ほど尊いものはなく、自分の感覚ほど大切なものはない。
自分が尊いからこそ、他人も尊く思うことができる。
ピアノ演奏にも共通すること。
人も音楽も、正解や不正解はない。
しかしどちらも、自分の感覚を大事にはするが、傲慢であってはならない。
言葉や表記などもそうだが、利益・保身・打算・嘘といった見えない“魔物”も潜む玉石混交の中から、いかに自分の感覚で取捨選択するか。
自分の感覚は自分にしか分からず、自分で淘汰させるしかない。
余談
私がよく聴く音楽は、作曲家や演奏者、曲といったものではなく、演奏そのもので選ぶ事が多い。
自分の好きな“演奏”を見つけるのに一苦労するが、最近はそれを探す時間が増えた。
ベートーヴェンのピアノソナタ Op.106 「ハンマークラヴィーア」は、全楽章私の最も好きな曲の一つなのだが、ステイホームのお陰?で、やっと自分の感覚にスッポリおさまる演奏が見つかった。
それは、マウリツィオ・ポリーニ演奏のハンマークラヴィーア。
彼の他のベートーヴェンは聴いたことはあったが、私にはスッポリではなかったので、この曲は不覚にもノーマークだった。
しばらくはステイホームで、演奏探し(自分の感覚探し)の旅は続きそう。