村の樹、道草いっぱい…などなど。八島太郎さんの絵本①。絵本の会2024-6
こんにちは、詩子です。
まだ6月なのに、すでに連日30度超え
いったい7月、8月はどんな気温になるのでしょう…。
そんな暑さの中の絵本の会となりました。
2024年6月の 絵本の会 は、
6/13 (第2木曜日)
に、開催いたしました。
テキストは、久しぶりに、少し読みすすみました。
◆ 『心に緑の種をまく』
渡辺茂男/著 岩波書店
第6章「私と絵本の出会い」
・八島太郎の絵本
八島太郎さんの絵本を読んでいきました。
前半は先ず、テキストに登場した3冊の絵本を読んでいきました。
① 『村の樹』
やしまたろう/文と絵 創風社
② 『道草いっぱい』
やしまたろう・みつ/文・絵 マコ岩松/訳 創風社
… ひとやすみ … (わらべうた「ほたるこい」)
③ 『からすたろう』
やしまたろう/ぶん・え 偕成社
・「③を、小学5、6年生に読み聞かせしたことがある。」
という方もいらっしゃいましたが、
・「表紙は知っているけれど、実は開いたことがない…」
・「自分で読んだことはあるけれど、だれかに読み聞かせしたことはない…」
という方の方が多く、新鮮に楽しんでいただけたようでした。
さて実際に読んでみると…、
・①②は、「もの尽くし」の絵本のよう。
・③は、、、想像以上に心打たれます。泣きそうになりました。
・③がこんなに心打たれるなんて!表紙の印象と全然ちがっていました。
などの感想がありました。
ところで、
・そもそも「八島太郎」は、ペンネームであること。そして、
・③『からすたろう』は、元々、
Taro Yashima
◆ 『Crow Boy』(Viking1955)
としてアメリカで出版された絵本であることを、ともすると忘れそうになります。
しかも、『Crow Boy』は、1956年コールデコット賞次席
に選ばれた絵本でもあるのです。
日本語の絵本として存在していることも当たり前に思えますが、
実は、③の日本語版が日本で出版されたのは、1979年。
アメリカで出版されてから、実に20年以上も後なのです。
八島太郎さんと妻・光さんは、時代と戦争に翻弄され、1939年に渡米。
複雑な事情や状況の中、苦労して、絵本作家になっていく過程は、
・宇佐美 承 著◆『さよなら日本』晶文社(※鯖図は所蔵なし)
などに詳しく書かれています。
八島さんは、戦後アメリカで生まれ、日本を知らない幼い娘モモさんに向けて、
郷里での少年時代を語るうちに、これを絵本にしたい!と思うようになります。
そして、ヴァイキング社の名編集者メイ・マッシーさんに出版のOKをもらい、
1953年、①『村の樹』が出版されたのです。
続いて、1954年②『道草いっぱい』。さらに、
③が、1956年コールデコット賞次席に選ばれたことで、絵本作家としての地位を
確立していきます。
また、この辺りで、アメリカに学びに来ていた石井桃子さんや、
渡辺茂男さんとも出会っていきます!
・石井桃子 著◆『児童文学の旅』(岩波現代文庫)
Ⅱ 再会の旅 「八島太郎さんとの絵本談義」
には、石井さんと八島さんの絵本についてのやりとりが書かれていて、
とてもとても楽しいです。
最後に、
八島太郎さんの、日本への、故郷への想いを感じる絵本を読みました。
④ 『海浜物語』
やしまたろう/文・絵 白泉社
*鯖図は所蔵なし
次回は、
2024年
7/11 (第2木曜日)
です。
テキストの範囲は、
『心に緑の種をまく』 渡辺茂男/著 岩波書店
◆ 第6章「私と絵本の出会い」
・八島太郎の絵本
です。
次回も もう少し、八島太郎さんの絵本を読みたいと思っています。
番外編として、『あまがさ』などを読む予定です。
ではまた。
ごきげんよう。
★追記です★
つい先日、『エルマーのぼうけん』シリーズの作者
ルース・スタイルス・ガネットさんの訃報を新聞で知りました。
100歳=1世紀を生きぬかれたのですね。
何度読んでも、読むたびに楽しい”エルマー”の3冊の物語。
アメリカで出版されたのが、1948年()。
渡辺茂男さんの訳で、日本の子どもたちに紹介されたのが、1963年。
なんと!60年以上、日本の子どもたちにも愛されてきたのです。
そして、今も愛され続けています。最近も貸出したばかりです。
この先もずっと、エルマーとりゅうと子どもたちはいっしょに、
わくわくする冒険に出かけていくのだと思います。
◆ 『エルマーのぼうけん』
◆ 『エルマーとりゅう』
◆ 『エルマーと16ぴきのりゅう』
ルース・スタイルス・ガネット/さく
ルース・クリスマン・ガネット/え
わたなべしげお/やく 福音館書店
作者について知りたい方には、
◆ 『「エルマーのぼうけん」をかいた女性ルース・S・ガネット』
前沢明枝/著 福音館書店
先月まで明石で開催されていた〈エルマーのぼうけん展〉。
来月からは福岡で開催されるようです。