湖水地方と羊飼い
こんにちは、詩子です。
興味深い本を読みました。
『羊飼いの暮らし』
ジェイムズ・リーバンクス/著 濱野大道/訳 早川書房
という本です。
「イギリス湖水地方の四季」
という副題がついていますが、
私たちがついつい思い浮かべる、
ロマンチックな休暇を過ごす湖水地方
ではありません!
湖水地方で、脈々と受け継がれてきた、羊飼いの暮らし
について書かれています。
羊飼いの、 「夏」 「秋」 「冬」 「春」 です。
羊と共に生きることは、想像が追いつかないくらい
大変なことだと思いました。
羊の死は、生活に直結してしまいます。
著者のリーバンクスさんは、オックスフォード大卒 という、経歴の持ち主。
望めば、どんな仕事だってできるでしょう。でも、きっぱり、
「湖水地方の山で働くことほどすばらしいことはない」
と言います。
本気で生きる とは、こういうことなのかもしれないと思いました。、
何だか、久々に、素敵な本に出会ってしまったなぁと思いました。
ちなみに、
「湖水地方」 + 「羊」 で、私が思い浮かべるのは、
「ビアトリクス・ポター」です。
ご存知の方も多いと思いますが、
「ピーターラビット」シリーズの生みの親であるビアトリクス・ポター は、
後半生を、湖水地方の農場で暮らし、地元の羊飼いと共に、
ハードウィック種という羊を育てる事に、力を注ぎました。
リーバンクスさんも、ハードウィック種の羊を育てています。
そして、ポターを敬愛しています。
この本は、湖水地方で綿々と受け継がれてきた牧畜の歴史であり、
リーバンクス家の歴史であり、時折、ポターが登場し、
とても親しみやすく感じました。
さらに、羊たちの出産シーズンの場面を読んでいて、
さまざまなイギリスの児童文学作品、たとえば、
『太陽の戦士』
(サトクリフ/作 猪熊葉子/訳 岩波少年文庫)
の、子羊と母羊についての、ある場面を思い出したり、
この本を読むきっかけとなった、
『ハイ・フォースの地主屋敷』
(フィリップ・ターナー/作 神宮輝夫/訳 岩波書店)
の、吹雪の中、羊の群れを救助する場面を思い浮かべたり…しました。
本の世界がいろいろと繋がり、広がるのを感じ、とても幸せでした。
ではまた。ごきげんよう。