読み返したい小説 | さばとごはん

読み返したい小説

 こんにちは、寿康です。


私の住んでいる地区でも、田植えが始まりました。

水田に野鳥が何羽か、餌を捜している様子が

通勤途中の車窓からみえます。

のどかな風景で、ほっとします。


さて、今日は、読み返したい小説という題で書いてみたいと

思います。


子供の頃読んだ小説を、大人になって読み返したら

やっぱり面白かった。

そういう経験はありませんか。


私にとって、そういう小説の代表が

夏目漱石の「坊っちゃん」 です。


皆さん学生の頃読まれた方が、多いと思いますが

大人になって読んでも、充分読みごたえがある小説です。


あらすじは、江戸っ子で、生一本な坊っちゃんが

四国の中学校に教師として赴任しますが

色々な事件(天ぷら先生・バッタ事件)に巻きこまれ

悪戦苦闘する坊っちゃん。


最後には天敵赤シャツに、天誅を加え、辞表を出して

意気ようようと東京に帰る坊っちゃん。


全編を通してユーモアがあり、声を出して笑ってしまいます。

しかし、読み返してみると、ユーモアたっぷりの小説が

視点を変えれば、坊っちゃんの孤独な世界が見えてきます。


坊っちゃんは自分の子供時代を、小説の中でこのように

語っています。

「母も死ぬ三日前に愛想をつかしたーおやじは年じゅうもてあましている

町内では乱暴者の悪太郎と爪弾きをするーおれはとうてい人に好かれる

たちでないとあきらめていたから、他人から木の端のように取り扱われるのは

なんとも思わない。」(本文より引用)


坊っちゃんの家庭は、両親の死を境に崩壊してしまいます。

坊っちゃんは孤独な自立を強いられます。

後に街鉄の技手となった坊っちゃんは、自分の半生を振り返り

「ただ懲役に行かないで生きているばかりである。」(本文より引用)

と述懐しています。


しかし、唯一の光明が子供の頃から坊っちゃんを支えてくれた

下女の清の存在です。

坊っちゃんは、清によって救われています。


四国での教員生活を放り投げ、東京へ戻った坊っちゃんは

まっ先に清に会いに行きます。


「清や帰ったよと飛び込んだら、あら坊っちゃん、よくまあ、早く帰って来て

くださったと涙をぽたぽたと落とした。おれはあまりうれしかったから、もう

田舎へは行かない。東京で清とうちを持つんだと言った。」(本文より引用)


此の小説を読んで、気持ちが和むのは、最終ページにある

坊っちゃんと清の再会です。

坊っちゃんには、清という自分の事を大切に思ってくれる

人がいます。


私達が本当に願っている事は、坊っちゃんにとっての

清のような人に出会う事ではないでしょうか。


最後まで読んでいただいて

ありがとうございます。   合掌 合掌