ダイイングメッセージ
死亡推定時刻は21時30分。
俯せのまま倒れている男の左手は、力無く伸びていた。
証言によると、男は未明から年賀状の宛名書きに勤しんでいたという。
結局、仕事に出掛ける4時間前に就寝。一日の仕事を終え帰宅。
寝不足から来る疲れも溜まっていたのではないかと思われる。
伸びた手には携帯が握られていた。
画面を確かめて見ると、文字列が並んでいるのが分かる。
一見、単語のようにも見えるが、微妙に不自然さが残る。
もしや、これがダイイングメッセージというものだろうか。
ピクッ。
男に反応があった。
まだ生きていたのか。緊張が走る。
彼は頭を上げ、近くにあった時計を確認する。
0時をまわっていた。
『しまったなぁ』という顔をし、かぶりを振る姿は何とも力無い。
買い物に行くつもりが、うっかり寝てしまうとは。
記憶があるのは、メールのレスを書いてて…あぁ、何書いてんだこれは…
軽く痺れた左手を庇いながら、オレは夕飯の食器を台所に持っていった。
買い物に行かねばならなかった。
俯せのまま倒れている男の左手は、力無く伸びていた。
証言によると、男は未明から年賀状の宛名書きに勤しんでいたという。
結局、仕事に出掛ける4時間前に就寝。一日の仕事を終え帰宅。
寝不足から来る疲れも溜まっていたのではないかと思われる。
伸びた手には携帯が握られていた。
画面を確かめて見ると、文字列が並んでいるのが分かる。
一見、単語のようにも見えるが、微妙に不自然さが残る。
もしや、これがダイイングメッセージというものだろうか。
ピクッ。
男に反応があった。
まだ生きていたのか。緊張が走る。
彼は頭を上げ、近くにあった時計を確認する。
0時をまわっていた。
『しまったなぁ』という顔をし、かぶりを振る姿は何とも力無い。
買い物に行くつもりが、うっかり寝てしまうとは。
記憶があるのは、メールのレスを書いてて…あぁ、何書いてんだこれは…
軽く痺れた左手を庇いながら、オレは夕飯の食器を台所に持っていった。
買い物に行かねばならなかった。