自己報告
夏の間に枝いっぱいに広がっていた葉は、
いつの間にかほとんどがその姿を変え、悲しく枯れ落ちていた。
駅へと続く街路樹に冬の気配が漂い始める。
それに誘われるかのように、淋しげな雰囲気が辺りをそっと包んだ。
別れはすぐ傍まで訪れていた。
「どうせ、遊びだったんでしょ?」
顔をハコフグのように膨らまして“そっぽ”を向いている彼女。
何も語ろうとしない。
だが、今にもそんな声が聞こえてきそうな切ない後ろ姿を見せていた。
確かに誰でも良かった。
一時的に付き合えれば、それで満足だった。
別れた彼女を忘れさせてくれれば、それだけで良かった。
しかし、実際に遊んでみると状態は一変した。
若く滑らかな肌触りはオレを快楽へと導き、
見た目以上にゆとりある体つきとの相性も、思いの外に抜群だった。
一歩近付いた。
何も反応しない。
語りかけても、こちらを向く素振りすら見せない。
オレは逆上した。
頑に閉ざしていても容赦はしない。
強引にこじ開けると、無理矢理女に乗っかった。
そして、力を込めて右手を振り降ろした…
プーーーーーー!
まるで出港する船舶のように、辺りに高らかにクラクションが鳴り響いた。
二人もこれでお別れだった。
ありがとうmyキューブ。
代車の為、半月のみの付き合いだったが、
この感動はきっと忘れないだろう。
本当にお疲れ様。