トライアル
スーパーの海苔弁当を購入する。
定価の3割引。
美味そうな気配がオレを包み込む。
もう待ちきれない。
レジを通ると、すぐに近くの白いボックスへ向かう。
己から発する催促の合図。
高鳴る気持ちを抑え、箱の中に弁当を入れ、
そして、待つこと2分。
ホクホクの顔にホカホカの弁当。
車に戻り、おもむろに膝の上に取り出す。
海苔の上に乗った唐揚げも、オレとの対面を待ち焦がれていたようにすら見える。
赤く染まったウインナーに、黄色い沢庵が彩りを添えている。
蓋を開けると、もうっと湯気が立ち込めてくる。
さぁ、いよいよ本日の夕食が幕を開けるのだ。
オレは店員に貰った箸を手に取り、
手に取り…
手に…
海苔の黒さと対照的に、頭の中が白くなっていくのがわかる。
何故、箸を貰い忘れたのか?
家まで行くには距離がある。
しかし、箸を改めて貰いに戻るのも気が引ける。
というより、もう我慢が出来ない。
数分後…
車内には、2本のストローを箸のように使う男が奮戦していた。
気を緩めれば、すぐに根元からグニャリと持っていかれる。
それでも、早く食べたい気持ちが、目の前の困難を打ち破ろうとしていた。
トライアル。
お腹いーっぱいになったオレは、無事に駐車場を後にする。
これからは、my箸を持ち歩こうか。
そう心に決めた。
定価の3割引。
美味そうな気配がオレを包み込む。
もう待ちきれない。
レジを通ると、すぐに近くの白いボックスへ向かう。
己から発する催促の合図。
高鳴る気持ちを抑え、箱の中に弁当を入れ、
そして、待つこと2分。
ホクホクの顔にホカホカの弁当。
車に戻り、おもむろに膝の上に取り出す。
海苔の上に乗った唐揚げも、オレとの対面を待ち焦がれていたようにすら見える。
赤く染まったウインナーに、黄色い沢庵が彩りを添えている。
蓋を開けると、もうっと湯気が立ち込めてくる。
さぁ、いよいよ本日の夕食が幕を開けるのだ。
オレは店員に貰った箸を手に取り、
手に取り…
手に…
海苔の黒さと対照的に、頭の中が白くなっていくのがわかる。
何故、箸を貰い忘れたのか?
家まで行くには距離がある。
しかし、箸を改めて貰いに戻るのも気が引ける。
というより、もう我慢が出来ない。
数分後…
車内には、2本のストローを箸のように使う男が奮戦していた。
気を緩めれば、すぐに根元からグニャリと持っていかれる。
それでも、早く食べたい気持ちが、目の前の困難を打ち破ろうとしていた。
トライアル。
お腹いーっぱいになったオレは、無事に駐車場を後にする。
これからは、my箸を持ち歩こうか。
そう心に決めた。