育成

スラリと伸びた緑黄色の若葉は、
オレに優しい笑顔をもたらしてくれる。

何かを育ててみようか。

そう思ったのは、今に始まったことではなかった。
一人暮らしの生活に何かアクセントがつけばいい。
きっかけは、それだけのものだった。

動物を飼おうか。

しかし、オレには夜勤という問題がある。
餌を満足に与えられない状況では、そのアイディアは却下せざるを得ない。

植物を育てようか。

しかし、肥料を購入し、本格的な園芸をするには資金が乏しいのが現状だ。
もっと気軽で簡単なものがいい。

そこで、今オレが丹精込めて育てているもの。

それは…





蕪だ。



蕪のてっぺんを切って、水に浸しただけのものだが、
その成長には目を見張るものがある。

いずれは食用にするべきか…

本気の悩みである。