読んだ本とか備忘録 -3ページ目

読んだ本とか備忘録

草をわけて 続く道と
みえない空の道が
どこかで 出逢いそうな日
モーツアルトの木管がなっている

――岸田衿子 『ソナチネの木』より

秋晴れのとても良いお天気に恵まれた先日、大分に出かけて来ました。
割りと近くにあるにも関わらず、実に初別府・初湯布院。
見るものすべてが珍しい私なのであった。






別府地獄巡りのひとつ、ミルキーブルーの色がとてもきれいな海地獄。
地獄巡りは時間もお金もかかるので、海地獄とそれに付いてた(?)赤池だけを見物する。

大分と言えばとり天、あるいは唐揚げなのだけど、今回は関アジの乗ったお鮨を食す。


太刀魚おいしい(*´﹃`*)

別府から湯布院へ向かう途中、由布岳がとってもきれい。


由布岳の裾野は、見渡す限りの薄の草原。


写真では上手く伝えられないけど、この風景、見てると心がぞわぞわして来る。
強いて言うと、前世の記憶の蓋が開きそうになるような感じ?


湯布院、金鱗湖。
湖と言うより、大きな池。
湯布院は平日にも関わらず、国内外からのたくさんの観光客で非常に賑わっている。
さすがは湯布院。
可愛らしい雑貨屋さんやカフェが多くて、覗いて歩くとあっという間に時間が経つね。



駆け足の1日の〆は、やはり温泉。帰り道にある生竜温泉に寄る。
お湯たっぷり、熱くもなくぬるくもなく、のいいお湯でした♪
(⌒)┬┴∧_∧ -┬┴
-(⌒)― (*-ω-A" -┬
 ̄ ̄ ̄Uu ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


大きな地震があったり、阿蘇山が噴火したり、駅前の大通りが大規模陥没したり…(;゚д゚)
いろいろあるここ最近ですが、九州場所の始まるこの時季が、1年でいちばん気候も良く、食べ物も美味しい。

楽しい1日でした。



著者渾身、文句なしの最高傑作!

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵15歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?
(Amazonによる)

体調悪いのである。
家にいる時がいちばん悪い。
ドクターいわく、「なるべく日常と関係ないことで痛みから気を逸らす。たとえば読書とか!読書とか!!」

と言うわけで、この恩田さん最新作の登場ですよ。
2段組505頁。こりゃあ余裕で1ヶ月はかかるな…と思っていたら、2日で読み終わった。
恩田さんの筆力にただただ圧倒される。
Amazonレビューで書いていた方がいたが、本当にこの作品に比べたら、某本屋大賞の本なんて、なんて薄っぺらな内容なんだろう…と再認識する。

音楽という目に見えない、掴まえられないものを、ここまで言葉で伝えてくれて、
音楽というものの素晴らしさを、ここまで私にわかるように教えてくれて、そしてこんな世界を私に見せてくれて、本当にありがとう、と恩田さんに心からお礼を言いたくなる作品。

作品自体は特に意表を突く展開があるわけでもなく、ただひたすらコンクールの日々を描写しているだけ。
恩田さんお得意の、最後の「はぁぁ!?なんだこりゃ!? 」って事態も起こらないのである。
(それは大歓迎だが)

だけど、メチャクチャ面白い。やめられない、止まらない作品。
444頁の展開には思わず泣けてしまった(TωT)ウルウル
この作品に出会えたことを、私はずっと感謝すると思う。

今年度から仕事環境が激変して(転職したわけではないです)とにかく疲れる。
覚えることも激増して、私の単純な頭脳回路はショート寸前。



というわけで、友人に勧められてカイロデビューを果す。
そう、カイロプラクティックってやつですよ。
「すっごい筋肉が硬くなってますよ」「足の長さがそのせいで左右違ってます」
いろいろ衝撃的な体験であったものの、なんだか肩凝りも腰痛も改善されたので、しばらくはネイルサロンは諦めて、こちらに通うことに決める。
(画像は「スターウォーズのカイロ・レン」)

疲れて気づくと寝てるので、読書もままならず。
いったいいつから読んでるんだ!?って感じの原田マハ。


疲れて気づくと寝てるので、練習もままならず。
なのに明後日は無情にも発表会なのであった。
このカチューシャをして出るよー



…と言ったら、友人は暫し無言になったけれど、そんなの関係ないのである。
なんてたって、曲が「SUITE ROMANTIQUE」ですから!!
ロマンティック゚・*:.。✡*:゚・✡

頑張る、という言葉は、私には力が入りすぎてる気がして、ちょっと苦手なのだけど、月末のこれを楽しみに、あれやこれやを頑張らねばね。



そんなこんなのここ最近です。
横田卓郎は妻を亡くし、娘の千秋と二人で暮らしていた。千秋は母の死後、奇妙な絵を描くようになる―人ではない、異形のものを。ある日をきっかけに、千秋は「青い顔の女」ばかりを描くようになった。
千秋はその顔を「ママ」と呼び絵を描くことに異常に執着する。そしてもう一つ執着すること。それは、夜の散歩だった。『ダ・ヴィンチ』『幽』主催第1回『幽』怪談文学賞長編部門大賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)

イヤな本である。ただひたすらイヤな本。
夏の夜に読むホラーというよりは、今のこのジメジメどんより、雨に濡れた石をひっくり返したら、そこから得体の知れない虫が這い出してくるような、そんな季節に似合うホラー。

たとえどんな恐ろしい怪談であっても、人間、そこに何かしらの筋道というか因果応報があるなら、まだ安心して(良いのかどうかわからんけど)モノノケの言い分にも納得出来るものである。
しかし、この話にはまーるでそれがない。
(ひとつあるとすれば瞳のケースだが、何故ここにだけそれがあるのか、むしろ不思議に思える。)

千秋は不気味すぎるし、いくら我が子でもここまで異常行動を楽観できる卓郎も能天気すぎるし、ましてやそんな卓郎と再婚しようと思う美樹もその上をいく能天気だとしか思えないけど、
この話がイヤなのは、それだけに留まらず、街全体を巻き込んで、まるで無関係な人たちにまで災禍が及んでること。

ややだらだらと青い顔の女の話が続いて、最後の方が唐突な感じがしなくもないけど、まぁとにかくイヤな気分になれる1冊であった。

【結論】
理屈でわかり合えない相手ほど世の中に厄介なものはなく、妄想の中で生きてるモノは最凶、最悪なのだと思う。
…これって、現実もホラーも変わらないよね。
「バナナフィッシュの耳石」「貧乏な叔母さん」など5つの小説に登場する品物の探索を、小川洋子がクラフト・エヴィング商會に依頼して…。とっておきの共作全5編を収録。『webちくま』連載に加筆し書籍化。
【「TRC MARC」の商品解説】

久しぶりにドストライクの本に出会いました!!
図書館で借りた本だけど、これは買い直してずっと手元に置いておきたい。
読書好きなら、きっと共感してもらえるのでは。

「人体欠視症治療薬」「バナナフィッシュの耳石」「貧乏な叔母さん」「肺に咲く睡蓮」「冥土の落丁」の5編は、
それぞれ「注文書」「納品書」「受領書」の3部構成で(但し「冥土の落丁」のみ、受領書なし)
注文書と受領書を小川洋子が、納品書を「ないものあります」のクラフト・エヴィング商會が書いてます。

短編小説なのだけど、それぞれの物語にはその骨組みとして、古今東西の小説が横たわる。
なんというか、読書の楽しみがマトリョーシカ状になっているわけです。
更にそのひとつひとつの物語が極上品。

私が好きなのは、大好きな彼に触れるたび、彼の身体の触れた部分が見えなくなっていく女の子の話、「人体欠視症治療薬」。
この話の下敷きは、川端康成の『たんぽぽ』。
もうね、このラストが切なすぎて切なすぎて。私がはたちの女の子なら、きっと号泣してたと思うわ(汗)

そして、村上春樹を下敷きにしている「貧乏な叔母さん」。

「さあ、本を読みなさい」
貧乏な叔母さんは言いました。
「ここにある本全部。お祖父さんが残していった本全部」
「辛すぎて読めません」
我ながら僕の声は情けないものでした。
「涙に濡れた瞳でも、本は読めます」
(単行本 P.99)