虚実の狭間を、流れる意識のごとく縦横に語る表題作他、ホラー、ミステリ、SF、ショートショート等々、恩田陸のあらゆる魅力がたっぷり詰まった、物語の万華鏡。
(「BOOK」データベースより)
14の短編が収録されています。
恩田さんの、物語を生み出す力というのは本当に素晴らしい。
ここまで多種多様な物語を創造出来る頭の中を覗いてみたいくらい。
(それが面白いかどうかは別として。だって、かなりアタリハズレの激しい方だと思います…)
私がこの中で圧倒的に面白いと思うのは、「水晶の夜、翡翠の朝」。
『麦の海に沈む果実』の理瀬のシリーズに登場する、ヨハン君の物語ですね。
理瀬シリーズが未読で、この学園の設定に「?」なところがあったとしても、
ミステリとしては十分楽しめると思うんですが…。
とにかく、この情け容赦ないラストが快感

「あなたと夜と音楽と」「朝日のようにさわやかに」。
この2作品は、ジャズのスタンダードナンバーがまんまタイトルです。
「あなたと夜と…」は、会話オンリーで話が終始します。
作中にもチラッと出て来ますが、ドラマ「古畑任三郎」の桃井かおりさんの回、(さよなら、DJ)を思い出すなぁ。
表題作「朝日のようにさわやかに」。
これは上記の「BOOK」データベースでも紹介されてますが、
なんの関係があるの?と思う事柄が、本当に上手く繋がってる。
ウィントン・マルサリス(作中ではW・M)、蓮の花、心太、このチョイスがとても私のツボですね~

「先入観に騙されてはいけない。甘味喫茶のメニューだからといって、心太が甘いわけではない。」
この台詞、書いてもネタバレにはならないと思いますが、すごく気に入ってます。
(=゜-゜)(=。_。)
中には短編ゆえにムダをはしょり過ぎてて、「なんだこりゃ???
」ってのもあるんですけどね…('◇';ゞ
(「卒業」とか「卒業」とか「卒業」とか)
アマゾンのレビューをざっと見たところ、「冷凍みかん」が高評価のようなんですが、
私は「そうかなぁ??」って感じです。
星新一さんの話にありそうな感じで、あまり目新しくない気がするのだけど…どうなのでしょう???
それとも、星新一さんの話にありそう=完成度高
ってことだろうか?万華鏡と言うよりは。
私は食べ残すパセリ付きの、トルコライスのような1冊だと思いました。