<地球の変化> vol.3
優秀なる使者スサノオは、ほぼ仕事を終えて今は、彼自身の本拠地であるTerron第3惑星に戻っています。
彼の功績の結果の一つとして、アイスランドやハンガリーに続いて、おそらくギリシャもグローバル銀行という世界中を巻き込んだ詐欺的金融カルテルから離脱して、独自の道を辿り始めるでしょう。
これらの動きを受けて、今EU諸国は、表面的にはグローバル銀行という一大勢力に従う態度であったとしても、潜在的な危機感を持っていると思います。
なぜなら、今後自分達にも大きな決断の時が来ることを既に予感せずにはいられない状況だからです。
そして、スイスでは今年の夏にベーシックインカム導入の可能性に向けて、国民投票が行われることになりました。
ベーシックインカムとは、国が国民に対して、最低限の所得を補償する制度です。
今回のスイスの場合、この制度が導入されれば、成人一人当たりに対して2.500スイスフラン(約30万円)子供一人に対しては625スイスフラン(約7万5千円)が支払われることになります。
どうですか、やりたい仕事でも、やりがいがある仕事でもないけれど、生活のために仕方がないから、という理由だけで働いている人たちにとっては、羨ましい限りの話ですね。
地球社会では、大切な人生の大半を働く時間として過ごしますが、ほとんどの人は、その仕事に誇りを持てるわけでもなく、つらいけれど我慢しているという状況です。
それなのに、就労できる人はまだましで、失業者は生活できず、自殺者さえもいるという状況は、宇宙の先進文明に生きる記憶を持つ私にとっては、実は、今の地球の社会制度には、どこかに悪意さえあるように感じてしまいます。
ベーシックインカム制度は、生活保障という役割を果たすだけでなく、地球人類にとって、経済至上主義的な価値観から、新しい価値観に移行するための最初の段階に必要な役割を果たすことになるでしょう。
もちろんリスクもあるでしょう。
人の労働意欲を阻害するという意見もよく聞きます。
確かに、導入直後には、今までの苦痛から一気に解放された人たちが仕事を止める傾向に走るのを抑える事は難しいでしょう。
また、経済至上主義的なモチベーションで人生設計をしてきた人たちは、何を人生の目的にしたらよいのか分らず、生きる目的すら失う人も出てくるかもしれません。
いずれにしても、初めは非常に混乱した状態を引き起こすことはまぬかれられない事実です。
しかし、このようなリスクを冒してでも導入する価値は充分にあります。と言うよりむしろ、お金や就労制度の無い先進文明の在り方を知っている私としての見は、このプロセスなくして、地球に未来はないとさえ言えます。
なぜなら、人々が、
「人が生きるということはどういうことなのか」
「自分が生きる目的は何か」
「自分にとっての喜びや幸福とは何か」
といった非常に純粋で重要な疑問を持つことになり、人生の質を向上させようとする動きが始まるからです。
そして、人々は本質的な事にたくさん気づくようになります。
今の社会の在り方では、ほとんどの人が「経済」や「所有」という事を全てのモチベーションとして生きていますから、このような本質的なことに目を向け、深く考えたり、実際に取り組んだりする余裕はありません。
例えば、新しい技術を開発するにしても、必ず成功して多くの経済を生み出すことに対してのみ資金を投入されて開発され、人を幸福にするための技術などが開発されることはありません。
驚くことに、実際、地球では人が幸福に生活することは誰も求めていないのです。
そして、多くを得ることが、あたかも幸福を作るように錯覚させられています。
もちろん、それが間違いだと気づいている人は沢山いるにも関わらず、方向を変えることが出来ないのは、まさに生活の保障がないからではないでしょうか。
地球人類は、宇宙の中で最も強い創造力を持っていて、最も多くの可能性を持っていると言われています。
その地球人類が、このように生きるための労働で人生を終えている姿は、宇宙から見れば、全くのナンセンスであり、「冗談か?」と思うくらいです。
しかし、こうして私も今回地球人としてここに生まれてみると、この蟻地獄のような仕組みから抜け出るには、ゆるぎない確信と、大きな努力、そして勇気が必要だということは充分に分りましたよ。
ここでは、家族も、友人も、大切な恋人も、みんな互いを監視し合い、自由を求めて突飛なことをする事に反対されるのです。
まるで、かつてのユダヤ教社会の中でイエスが迫害され続けていたのと同じです。
つまり2000年前も今も、何も変わっていないということですね!
とにかく、私はベーシックインカム万歳派です。
ぜひ導入して、世界に大きな波紋を投げかけてもらいたいですね。