【読書感想】『みぃちゃんと山田さん』結末を知りながら読む恐怖と、自分の記憶を揺さぶられた話
最近読んだ漫画の中で、ダントツで一番心が揺れ動かされた作品があります。
それが、亜月ねね先生の『みぃちゃんと山田さん』です。
可愛らしい絵柄とは裏腹に、読み進めるほどに胸が締め付けられるような感覚になり、色々な感情が湧き上がってきたので、今回はその本音の感想を書いてみたいと思います。
1. 冒頭で明かされる「結末」と、広げられた風呂敷
この作品、物語の冒頭から「主要キャラが死ぬこと」が明示された状態でスタートします。
結末をはじめに突きつけられるからこそ、
「この後どうやって物語が展開していくんだろう?」
「広げられた風呂敷が、最終的にどうやって畳まれていくんだろう……?」
と、ページをめくる手が止まらなくなりました。
結末を知っているからこそ、途中の何気ない日常や会話のシーンすべてに不穏な影が落ちていて、ずっと息を呑むような緊張感が漂っているのが本当にすごいです。
2. 近所にいた「あの子」の記憶と、タブーに触れる感覚
この作品を読んでいて一番ゾクッとしたのは、「自分の過去の記憶」が鮮明に呼び起こされたことでした。
私の子供時代、近所にまさに「みぃちゃん」のような子がいたんです。
当時の感覚として、周囲の理解や適切な分類・ケアがまだ十分ではなかった時代。
親からの説明を聞きながら、小学生ながらに「あ、このことにはあまり深く触れてはいけないんだな……」と、幼心にタブーを感じ取っていた感覚を思い出しました。
大人になった今、この作品を通してその「触れてはいけない領域」に再び足を踏み入れたような、生々しい感覚になりました。
3. 「自分が選ばなかった世界線」を覗き見る体験
私はこの物語を読みながら、ずっとこんなことを考えていました。
「どうしてこうなってしまったんだろう?」
「どうすれば、こんな結末にならずにすんだんだろう?」
「みいちゃんの担任の先生のアプローチって正しかったのかな?」
自分の理解を超えてしまうような人間が、一体どのような思考をして、どんな言動をとるのか。
自分が選ばなかった世界線や、一歩間違えれば存在していたかもしれない世界を覗き見ているようで、とにかく感情を激しく揺さぶられました。
4. 「可哀想」や「理解できない」の一言で片付けてはいけない
読み終えて強く感じたのは、この作品を単に「かわいそう」「理解できない」という一言で片付けてはいけないということです。
理屈では割り切れない、一般的には到底理解されないような複雑な事情や苦しみが、世の中のそれぞれの家庭には確かに存在しています。
例えば、教育現場に立つ先生方がこの作品を読むことで、目の前の教え子やその背景に気づき、導くためのひとつの「指標」やヒントになるかもしれない。
「こういう世界があるんだ」と一人ひとりが頭の片隅に留めておくことで、相手を安易に決めつけず、今より少しだけ誰かに優しくなれる世の中が生まれたらいいな……と、心から思わされました。
おわりに
『みぃちゃんと山田さん』は、ただの「面白いエンタメ漫画」という枠には収まらない、強烈な問題提起と優しさをくれる作品であると感じました。あと、登場人物と自分が同年代と思われたので、親近感がすごかったです。
ちなみに同い年のお友達にもお勧めして、しっかりハマってくれました♡
自分とは違う思考回路を持つ人間のリアルな描写を見てみたい人、作品を通して自分の記憶や価値観と向き合ってみたい人は、ぜひ一度読んでみてほしいです。
ここ最近で一番、心が揺さぶられた最高の作品でした!






