千紫万紅 終 S | 櫻の妄想小説置き場【可塑的かそてき】

櫻の妄想小説置き場【可塑的かそてき】

【可塑的かそ・てき】思うように物の形をつくれること。 塑造できること。
主にラブイチャ系よりは切ないネガ多めです。
※このブログにある物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。

 

 

 

腕の中で乱れ悶えるルイの存在が可愛いし愛おしい。

なんだかんだで優しくされんのが好きなやつだから、なるべくそうしてやりたいと思ってる。

それなのに……。

 

「ルイ、大丈夫か?」

「だい…じょうぶ…だからさ、ね…もっと奥までシていいよ?」

 

一体俺をどうするつもりなんだ。

それとも……物足りないとか?

こちとらルイに負担のないようにきちんと段階を踏んでるつもりで。

それなのに、その奥って……いやまだそれはキツいんじゃないか?と俺は思うわけ。

 

とはいえ、要求されればそれに従うのは至極当然のことで。

言われるがままに、ルイにとっちゃまだ未知の部分へと自身を押し込めば、

 

「…イッ!」

 

ほーら、案の定。

 

「悪い…、まだ奥まで入れるのはやめとこう。な?」

 

なだめるように髪を撫でながらそう促せば、

 

「うん……、」

 

とてつもなく悲し気な顔でルイは小さく頷いた。

ぎこちない…。

確かに、ルイの仕草がそんな風に見える。

 

「…なぁ」

「うん?」

「アキラはさ…、俺がシたいから……シてくれてるだけ?」

「は……?それって、どういう意味?」

「だから……、俺が呼び出さなくても俺と……その……シたいって思うのかなって…、」

 

見るからに自信なさそうに、俺のことを見つめる瞳がゆらゆらと揺れている。

そして張り裂けそうなほどの緊張感は、こちらまでひしひしと伝わってくる。

 

もういいか……。

言っても……。

 

「お、」

「ごめん!やっぱ今のなしで!」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

今日も今日とて、スマホを見つめていた。

あれから再び、ルイからの連絡が途絶えてしまったからだ。

また飲みすぎて尻が痛くなったのか、それともいよいよ飽きた可能性も。

 

まぁそうだとしても仕方がない。

ルイにとって俺は、ただ快楽を共有しているセフレに過ぎないってことで。

つか危なかったわ。

あの質問は流石に罠だろ。

 

『抱きたいよ。呼ばれなくたって』

 

そう答えなくて良かった。

打算のないルイのことだ。

きっと困らせた。

 

ルイがこの関係をやめたくなったなら、いつでもやめられるように……。

やめられるように……。

 

そんなことを考えていると、デスクの上でスマホが震えて。

 

「もしもし、ルイ?どうした?」

「来て?今から」

「は?今何時だと思ってんだよ」

「いいから!」

 

誰かのために営業中の店を閉めるなんてこと、今までに一度だってなかったのに。

従業員が呟いた、めずらしいって言葉が頭の中をぐるぐると回る。

それでも俺に”来て欲しい”というルイの家へと急いで玄関を開けると、中から苦しそうに吐き戻すような声がした。

 

あぁ、察し。

 

トイレの床にぶっ倒れているルイをベッドへと移動させ、冷蔵庫から取り出した水を飲ませる。

 

「大丈夫か?」

「ん……サンキュ……」

「珍しいな新人の頃でもあるまいし、そんな飲んだのかよ」

「今でもたまに……あるんだよ」

「ふぅん。ていうか、そんな状態じゃセックスできねぇじゃん」

「………、」

 

すっかり黙り込んでしまったルイの顔を覗き込む。

真っ赤なのは酔ってるせいなのか、それとも。

 

「セックス以外の理由で呼び出しちゃダメなのかよ……」

「ルイ…?」

「ただ……会いたかったんだよ」

 

自分でも、驚いた。

だって、

 

「じゃあ一緒に住む?」

 

不意にそんなことを口走ってしまっていたから。

それにルイだって、まさか俺がそんなことを言うなんて一ミリも思っちゃいなかったんだろう。

 

「え……えっ?え!?」

 

なんて必死に脳みそをフル回転させてるように見える。

 

「あれ?そういうことじゃなかった?」

「…いい…の?え……?」

「またこういうことがあったら困るだろ?たまにあるんだろ?こうして一人でぶっ倒れてることが」

「…うん」

「便利じゃん、俺いれば」

「…………なんかごめん。こんなことで呼び出しちゃって…アキラ仕事中だったんだろ?」

 

今置かれている状況を急に把握したのか、ルイが気まずそうにそう言うから。

 

「こんなことじゃなくなっちまったんだよ……おまえのこと、」

 

思わず本音を漏らしたら、急に心が軽くなってゆるりと口元が緩んだ。

そんな俺の様子にルイも幸せそうに、ふわりと笑って。

それから俺の胸にぽすっと顔を埋めてくるからその華奢な身体を抱きしめる。

 

「俺のこと…抱き枕にでもする?」

「うんっ」

「あと……俺の名前だけど……、、、翔」

「翔」

「ふは、なんかおまえに名前呼ばれんのむず痒いんだけど…、」

「俺は嬉しいよ」

 

ルイはそう言うと、俺の腕の中で静かに瞳を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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