ド肝を抜かれる銘木と彫刻の洪水で唯一無比の別荘建築

場所・ 福島県本宮市字蛇の鼻38

電話・ 0243−34−2036

創建・ 明治32年(1899)に公園として庶民に開放

竣工・ 明治37年(1904)

構造・ 木造2階建て 離れ・土蔵造り2階建て

公開・ 4〜11月 9〜17時 無休 HPで要確認

料金・ 800円 1度払えばその年の11月末まで年パスになる *当時の情報

最終訪問・ 2022.05

*国・登録有形文化財 *BS「百年名家」で紹介

福島県北部、中通の本宮市の郊外、農村の中にある「花と歴史の郷」という公園の中にありますクリスマスツリー

 


 

ここは、明治末期に本宮町の素封家・伊藤弥(わたる)氏とその息子さん(次男)の伊藤幟(のぼり)氏の別荘、迎賓館として8年の歳月をかけ作られたものです乙女のトキメキ

 

公園内 四季折々の庭園 4~11月のみ営業



元は本宮の豪農の家系で、弥氏は本宮町長や県会議員、幟氏は県会議員や国会議員などを歴任した地域の名士の家系筋肉

 

公園内の蔵


 

お屋敷は巧妙精緻な彫刻をはじめ、著名人の書(伊藤博文・三条実美・木戸孝允他)や名画伯の障屏画などが全6室にわたり残されています乙女のトキメキ

 


 

幟氏は画家でもあり、芸術への愛着があり、館内には狩野派の襖絵もカラーパレット

 

邸宅 正門



「蛇の鼻(じゃのはな)」という変わった地名の由来は、
源義家(八幡太郎義家)がこの地で交戦(前9年の役)した際、四方の敵に放った矢が花のように見えたことから、「矢の花」と呼ばれるようになりましたいて座

 

邸宅 入口方面より 外観



その後、この地が分割され、大玉村に「矢の花」の地名が残り、本宮市は
大名倉山に伝わる大蛇伝説の「蛇」からとって、「蛇の花」と呼ばれていましたヘビ

 

外観 内部がすごいんです


 

後世になって山が切れて盆地に落ち込む場所を「鼻」と呼ぶことから、今日の「蛇の鼻」になったと伝えられていますUMAくん

 

外観 本館部分



そして、弥氏の息子さんの1人(4男)が、のちに昭和のイケメン歌手となり、NHKの朝ドラ「エール」でも出てきた「
伊藤久男」さんという方で、

 

外観 渡り廊下 蔵座敷へ

 

同じ福島出身の主人公の古関さんという作曲家の方の作った甲子園で有名な「栄冠は君に輝く」を歌った、というエピソードがあり、資料館にもその方の写真などが飾られていますマイク

 

玄関部分 説明 これだけのごてごての彫刻


 

代表曲は他にも「イヨマンテの夜」「暁に祈る」などがあります(私は知らないのでつっこまないで)キラキラ

 

玄関 破風 欄間部分にも超絶技巧の彫刻

 



現在のご当主の方は、本宮市内で「ハルツ」というドイツパンのお店を市内で営んでおり、そのお店の後ろには今でも蔵屋敷が残されていますウインク
こちらが、本家の場所だったようですねびっくり

 

玄関 彫刻 

柱部分の側面の透かし彫りの細い部分がすごすぎ



           *

・正面玄関

彫刻は隣の二本松市の江戸時代創業の老舗の橋本仏具彫刻店の方おじいちゃん

 

玄関 扉 まるで寺院のような扉


地元の職人さんを使ったことで、地元への愛着を感じるチョコがけハート
日光東照宮を模したもので、眠り猫や想像上の獣もいる神社

 

玄関 柱 流れるようななめらかな細い部分がすごい



・鷺の間 1階

襖絵が「葦五位鷺図」菊田伊州の作品カラーパレット
かつての仏間お願い 

 



・鹿の間 1階

 



襖絵が「鹿渓流遊図」東東洋さんの作品カラーパレット
床の間は銘木尽くしで、床柱は白檀(インド原産のサンダルウッド)びっくり
落とし掛けはざくろの古木クリスマスツリー
床板は黒柿乙女のトキメキ

・階段 欅

 



1段1段の踏み板の側面にある彫刻が違うものウインク

・老松の間 2階


6枚の秋田杉の1枚板の杉戸絵 クリスマスツリー
床の間は、銘木で彩られ、床柱は枇杷の彫刻が施された枇杷の大木乙女のトキメキ
落とし掛けは黒柿キラキラ

 



狆潜りは蛇のような竹(蛇の鼻だけに)ヘビ
華頭窓の付書院の横の柱に彫刻があり、爪にダイヤモンドをかけてお客さんに披露したゆめみる宝石
廊下は欅の1枚板クリスマスツリー



・千鳥の間 2階

杉の1枚板12枚 「磯千鳥図」勝田蕉琴クリスマスツリー
福島県の棚倉町出身の画家カラーパレット
千鳥の間は、皇族の「明治宮殿」(今の明治神宮)「千鳥の間」に遠慮して99羽まじかるクラウン

 

 



床柱は松クリスマスツリー
きっちりとした書院造りウインク
杉の材料への愛着・木材へのこだわりキラキラ

・黒柿の間 土蔵の蔵座敷2階



1階の入り口が一面の黒柿で壁も階段もすべて黒柿オレンジ
実のなる木で作られた床の間(百果園だけに)りんご
天井・欄間は白柿 床柱は黒柿オレンジ
葡萄の木で作られた神棚の落とし掛けぶどう

・梅の間 土蔵の蔵座敷2階

 



襖絵は「四季の梅」菅井梅関お弁当
実のなる木で作られた床の間りんご
床柱は花梨(インド紫檀)・落とし掛けは山ぶどう(樹齢600年の古木)ぶどう
床板は黒柿オレンジ