★岩船の鎮守様・式内で境内の前には美しい漁村風景と運河が★
場所・ 新潟県村上市岩船三日市9−20
創建・ 古すぎてわからず
竣工・ 明治32年 再建
構造・ 木造 木造両部鳥居
祭神・ 饒速日(ニギハヤヒ)命、水波女(ミヅハノメ)命
高龗(タカオカミ)命、闇龗(クラオカミ)命
境内社・ 古峯大神、大山祇社、若山神社、金毘羅大権現、
明神権現、須賀神、大己貴神、少彦神
祭礼・ 10月19日
社務所・ あり 御朱印ありそう 日中
最終訪問・ 2018.06
新潟県北部、村上市の港として栄えた岩船港町の丘の上にあります
石船神社は「延喜式」所載の磐船郡の「石船神社」です
祭神は饒速日(ニギハヤヒ)命、水波女(ミヅハノメ)命、高龗(タカオカミ)命、闇龗(クラオカミ)命です
港の神社だけあり、水系の神様で、港や漁業の安全を守っているそうです
大化4年(648)、大和朝廷は北方経営の拠点のひとつとして磐舟柵(いわふねのき)を置きました
その時すでにこの地に饒速日命を祀る石祠があったといいます
境内や周辺から古墳時代の遺物も出土しており、この丘陵地が神代以来の神域であったことが知られているそうです
当社から西奈彌(せなみ)神社まで砂丘が3.5キロほど続きますが、この間のどこかに磐舟柵があったと考えられています
今、石船神社の脇に「磐船柵阯」と刻された巨石が建てられていますが、これがその場所だというわけではないそうです
当社は、早くから磐舟柵にかかわる人々の崇敬を集め、さらにこの地が海運の拠点として栄えるようになってからは、漁民や船舶関係者にも信仰されたそうです
現在でも漁師たちに篤く信仰されています(毎年10月19日に岩船大祭が催されます)
参道の石段を進むと、蝉しぐれの降り注ぐ鬱蒼とした社叢(県指定の天然記念物で、ヤブツバキが多い)となります
社殿は明治29年に火災で焼失し、同32年に再建されたもので、かなり大きいです
境内 麓 忠魂碑系の神明系神社
特に本殿を囲む社屋の大きさが目を惹きます
本殿の右に小さな祠がありますが、玉垣で囲われて近付けないようになっているので詳細不明です
当社には境内社も多く、古峯大神、大山祇社、若山神社、金毘羅大権現、明神権現、須賀神、大己貴神、少彦神などが確認できます
境内にいくつかある狛犬も良くできています
こま犬 こじんまりと丸い台座
*
11年ぶりに訪れた岩船の湊町
当時は街道沿いに展開する岩船の町並も今一つ、わからず面影ないなあ、という感想になってしまいました
その頃はまだ町並みを見る目や知識が養われておらず、わからなかったんだと思います
境内 お祭のおしゃぎり(山車)が収納されている倉庫も
今回こうして、神社の参拝の際に改めて町並みを見たら、ちゃんと街道沿いに町家が点在し、村上の文化である鮭が干してあったり、村上茶のお店があったりと、商店街になっていました
町から神社の間には運河のような美しい緑の川が流れており、その川岸には寺院もあり、酒田のような港町が広がっていました
これもその後に酒田に行ったから気が付いたことであって、当時はわからなかったですね(他を見ることで気が付けること)
この美しい漁村の風景に
11年の間に成長してから再訪して、その美しさに気が付くことができて嬉しかったです
そんな港町のかなり古くからある式内の鎮守様
この神社は、10月のお祭を県内のTV放送で見てから、ずっと行きたいと思っていました
お祭の際は、村上らしくおしゃぎりの山車が出て、一晩中、港町を練り歩くそうです
毎年、木製の馬を各その年の担当の家に鎮座させ、その馬が祭のキーになったような
その馬の担当の家になることは、もちろん町の誉です
そんな幻想的な風習の残る神社のお祭、ということで村上の文化の一つとして紹介されたのでしょうね
それだけ豪華なおしゃぎりという山車を江戸時代からたくさん作ることができた、ということはこの町がいかに、北前船で潤っていたかが窺えますね
拝殿
境内の参道沿いに、その山車を保管するための倉庫があります
漁村の岩船神社は、その岩船港を見守るように小高い丘の上に鎮座します
参道は登り坂で、坂の下からは全貌は見えません
境内社
参道沿いには奉納された石柱がたくさん建っていて、狛犬も歴史あるものです
途中で参道が右折するので、その先に境内があります
境内は丘の頂上にあり、岩船の町が一望できます
大きめの拝殿は、ガラスの木戸で囲まれており、これは寒さと雪対策なのかも知れません
あまりこういう、風除室みたいな囲みのある神社は見たことがないなあ
境内社 古そうな石碑
木戸の中に入ると小さな部屋になっており、そこで参拝することができます
そこに書いてあった説明板には、弥彦神社に続く、県内では格式の高い神社だそうです
さすがは大和朝廷時代から栄えた磐舟柵だけありますね
境内には隅の方に石造の鳥居、右側の方には境内社が多数ありました
やはり漁村で、漁師さんの信仰も篤いだけあり、金毘羅様も欠かせませんね
さすがは歴史と格式の高い神社ですね
貸し切りの境内はとても風情がありました
遺跡時代からの信仰のある地、ということで、そういう歴史も想像しながら散策すると、さらにタイムトリップ感があるかもしれません
参道の登り口のPの前には「岩船神社」と書かれた岩の石碑と祠もあります
どうもこの辺の神社は社殿がなくて、岩の前に鳥居があるような神社も点在しています
「岩」と地名につくだけに「イワクラ」信仰のような原始的な信仰も残っている地域かも知れないと思いました
港町・式内・神社好きの方にもオススメです♪
*神社のデータは「にいがた神社探訪」より