★イギリス・ルネッサンス様式の壮麗な旧県庁舎★
場所・ 山形県山形市旅篭町3−4−51
電話・ 023−635−5500
竣工・ 大正5年(1916)
設計・ 田原新之助
構造・ レンガ造、3階建、スレート葺、正面中央塔屋付
開館・ 9〜16時30分 無料
最終訪問・ 2008.12 再訪
*国・重要文化財
山形県置賜地方、県庁所在地の山形市にあるそれこそ旧県庁です
明治9年(1876)現在の山形県が成立し、初代県令三島通庸によって翌明治10年(1877)に県庁舎が、明治16年(1883)に県会議事堂が建設されました
しかし、明治44年5月(1911)の山形大火によって両棟とも焼失し、直ちに同地での復興が計画され、大正2年4月(1913)に建築に着手、大正5年6月(1916)に完成したのが現在の建物です
山形県庁舎と同時に建設された県会議事堂は、県庁舎と渡り廊下で結ばれています
2階 大階段 洋館の見せ場は大階段
創建当初の議員の数は35名で、議会のある時は議員の机と椅子を並べて会議が行なわれ、議会のない時は演奏会や展示会などに貸し出されるなどして、多彩なイベントホールとして使われていました
平成7年(1986)に復原工事が県庁舎と同時に行なわれ、当時の姿を今に伝える文化財となっています
山形県旧県庁舎の設計は、東京都出身の田原新之助が担当し、米沢市出身の中條精一郎が顧問を勤めました(米沢市の「上杉記念館」も中條さん)
イギリス・ルネッサンス様式を基調とし、両翼62.721メートル、中央の時計塔までの高さは25.149メートルです
建物は、レンガ造りの3階建で、外壁は花崗岩の石貼り、屋根は玄昌石のスレートになっており、石柱、明かり窓、換気塔を施しています
2階 漆喰のアーチに柱頭装飾、大理石の柱
内部の設備や装飾は、リノリウムの床と照明器具、壁や天井の漆喰装飾と木部の装飾など、大正時代初期の洋風建築の特長を伝える貴重な文化財です
また時計塔は、札幌の時計台に次いで2番目に古いもので、銅板飾りの塔屋と重錘式の動力で動く時計が珍しいです
3階 正庁 豪華なフランス式 バルコニーもある
山形県旧県庁舎は、昭和50年(1975)まで県庁舎として使用されていましたが、同年県庁が山形市松波に移転して新庁舎を建設した後、昭和59年12月(1984)に国の重要文化財に指定されました
正庁 まるで迎賓館
昭和61年(1986)からは修理工事が始められ10年の歳月を経て平成7年9月(1995)完成しました
修理工事にあたっては必要な構造補強を行ない、在来の材料と工法で進められ創建当時の姿の復原が図られました
正庁 ディテール 漆喰の細かい装飾も見もの
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まず2008.05に初めて訪れたときのレポートです。
国道112号を真っ直ぐ進むと目的の「文翔館」にぶつかります
早速、車をPに入れて市内へ
これは山形県きっての洋館の王者で堂々たるお城です
余りの豪華な県庁舎に感動します
山形県民、羨ましいです
正庁 寄木細工の床
もうすぐ100年、100年前にこんな素敵な建物が建ち、今も残っているなんて
でも残念ながら17時を過ぎていたいたので中には入れず
悔しくて周囲や前に立って写真を撮ります
絶対、次は中に入ってやる
*
次に2008.12にリベンジしたときのレポートです。
午前11時
山形市の「文翔館」に到着
前回、5月のGWに来た時は午後17時を過ぎてしまっていたため、残念ながら中には入れませんでした
今回はそのリベンジのため内部へ入って見学します
車をPに停め無料の「文翔館」の中へ
中へは正面の玄関から入ります
早速、玄関上の欄窓にXmasのリースのようなステンドグラスがハマっています
時代も大正になると明治の擬洋風と違い、ギヤマンではなく本格的になって来ます
正面には県庁建築によくある大階段が構えています
この階段の親柱などもイギリス・ルネッサンス風の凝った木の彫刻が施されています
踊り場の窓にもステンドグラスがはまり、この部分だけでも十分豪華さが伝わります
玄関部分がすでに2階なので階段を登ると3階になります
まず3階正面階段が復元された「正庁」です
そこへ続く廊下の柱も大理石でアーチの漆喰部分にも装飾が
「正庁」はシャンデリアが架かり、天井の漆喰装飾もとても豪華です
ここがこの建物の一番のメインの部屋だけあります
ここはフランスかと思うようなロココ調の室内です
床も寄木細工でできていて幾何学模様が素晴らしいです
正面のバルコニーにも出ることができ、山形市内を一望です
次は正庁からドアでつながっている隣の「貴賓室」です
この部屋は皇族や国の高官が来県した際に控室等として使用されたり「副知事室」としても使われていました
貴賓室 マントルピースも
ここも復元で当時の写真や資料により、シャンデリアやインテリアが復元されました
マントルピースもあり、机には菊の御紋も
やはり床も寄木細工でできていて職人技です
「旧知事官房室」を通りすぎ、次は角部屋の「知事室」へ
この部屋も復元で特に壁紙は当時の破片から忠実に再現したものです
クラシックなお花も要のストライプでとても可愛いです
3階 知事室 ここに三島県令がいたのか
大理石のマントルピースもあり天井にはシャンデリア
天井自体の漆喰の装飾もとても細かく、床ももちろん寄木細工
個人的にはこの部屋が一番気に入りました
知事は大抵年配の男性ですが、なんだか乙女チックで似合わないかも
一旦、廊下を出て中庭に沿って真っ直ぐ進むと右手に「旧警察部長室」があります
現在は第四会議室となっています
この部屋もシャンデリアにマントルピース、床は寄木細工と揃っていますが割と地味です
3階 旧警察部長室 シャンデリア
マントルピース 木も一枚板で職人技
床の寄木細工
アーチの架かる廊下を一周すると「旧内務部長室」があり現在は第一会議室となっています
ここも3つ揃っていて、壁紙がビクトリア調で可愛かったです
現役で市民に親しまれているのが羨ましいです
3階 「旧内務部長室」
新潟にもこんな素敵な洋館があれば良いのに(新潟県会議事堂はありますが、ここまですごくない)
2階はだいぶ改装されていて公民館、資料館、喫茶室になっています
なのでいったん、1階へ下り、隣の「旧県会議事堂」へ
洋館・県庁舎・ルネッサンス調好きの方にもオススメです(^^♪