THE　YELLOW　MONKEY　★　「９９９９」（２０１９年）－２

１．　この恋のかけら　

まず、１曲目はゆるやかに始まった
吉井さん得意の切ないメロディー

「冬になるとこの辺は雪深くなるから」という歌詞、まさにこの曲を聴いていたとき、松之山温泉の辺りを走っていたので、歌詞にピッタリの場所で聞けた（４月でも雪があった）

そして「さあ　ダメ元でもやってみよう　泣いても笑っても　残された時間は長くないぜ」という歌詞も励まされますね

２．　天道虫　

これはビールのCMの曲で、吉井さん本人が出ていたので、聞いたことのある方も多いと思う
CMでいきなり吉井ちゃんが出て来た時は、叫んで興奮したー

「天道虫」とは、運を運ぶ虫、みたいな感じで、誰の肩に留まるかはわからない、みたいな感じか
ここからROCKに畳みかけてくる、イエモンサウンドがカッコいい
５０代のおっちゃんたち、頑張れ

そして、１９年前のアルバムの「メロメ」という曲を聴いていたら、「猛毒の花びらの上で　行きづまる天道虫」という歌詞を見つけた、、、

これって、「猛毒の葉っぱみたいなテーブルの上に　運命の天道虫並んだ」というこの曲の歌詞に繋がってる

やはり８枚目と９枚目のアルバムなので、１９年経っていてもつながっているんだーと発見して驚きでした

そして「街の隙間に見えるのは　あの日のまま　変わらぬ通りの夕陽だった」、、、やっぱり「メロメ」と繋がってる

往年のFANが気が付くように、仕掛けて来るなあ

でも当時は、「行きづまっていた」のかー(アルバム全体も８枚目は少し暗め）

３．　LOVE　HOMME　

実はこの曲が個人的に、アルバムの中で一番カッコいい部門１位
ガンガンなロック、というわけではなく、ミドルテンポなんですが、リズムがカッコいいんです
これはもう、最初に聞いた時から、デビュー曲当時のグラムの妖しい感じの雰囲気を彷彿とさせるような歌詞と曲調
これは原点回帰系の、イエモンの得意技で来たかな、という感じ
そして歌詞に「猿」と出てくるのはやはりイエモンだから

歌詞の内容、「両性具有の～」からして、タイトルの「LOVE　HOMME」とは、BOYS　LOVEのことかな
新宿２丁目的な曲かな（昔は吉井さんも女装してステージ出てたし）

９０年代の名曲で、今でもLIVEのEMMAとの絡みが見せ場の「SUCK　OF　LIFE」的な

LIVEのときの吉井さんの表現力はほんとにすごい（旅役者だった父上のDNAか）

イエモンのときの彼は化粧が濃い

吉井さんはソロのときは割と爽やかめで、カッコいい、普段の吉井さんに近い感じぽいファッション、ヘアメイクかと思うんですが、イエモンになると、一気に化粧は濃くなるし、ファッションも紫、フリル、花柄シャツ、レトロロック風、つやのある素材の服など、グラム風の妖しい独特のファッションになるんですが、この曲はそんな吉井さんにピッタリですね

４．　STARS　（９９９９　VERSION）　

これは２０１６年１月に亡くなった、ロックスター、デヴィッド・ボウイに向けられた曲です
彼らはグラムロック、ボウイにかなり影響を受けているので、追悼曲を書かずにはいられなかったのでしょう
タイトルの「★」はボウイの最後のアルバムでもあるし、「スター」という意味もかけているでしょうね
この曲で、Mステに出た時の、黒とラメの衣装がカッコよかった

２人とも故人　グラムの２大スター　★　M・ボラン、D・ボウイ

「DEAR MY ROCKSTAR　またあなたに呼ばれた　人生半ばで大事なこと見つけた」という歌詞はまさに彼へのメッセージでしょうね
「始めようパーティー　ロックのパーティー　やめられない　これしかない」という歌詞が、彼らの原点であるブギーに乗せて歌われる
やめないで続けてほしいですね、これからもロックのパーティー
「もう解散はしません」と宣言していたし

５．　Breaking The Away

ギターが印象的なロックな曲は、ギターのEMMAの作曲
歌詞の内容は「薔薇娼婦麗奈」、「RED　RIGHT」時代の感じを彷彿とさせる

６．　ロザーナ　

「ロザーナ」というフレーズが印象的な曲で、ロックな感じですが、切ない曲なのがまたいいんですよね
「凍り付くような悲しみ　とけるほどの喜び　迷い続けた答えはなんて言ったの　帰ることのない町　戻ることのい道　走り出したら次のゲームを始めよう」

という、悲しみも受け入れつつ、前向きに行こう、という吉井さん得意の歌詞が素晴らしい
「君といられた長いようで短いこの時代　信じ続けた」、君とともに
あとはやはり、TOTOか

７．　Changes for away

レトロな往年のロックバラードのような感じで始まる冒頭
「でもかみしめる孤独もオカズだよ　愛だけを支えにして　忘れないで　遠くにあるのはもっときれいな月」と切なくもきれいなラプソディー
「男はどこかサムライだからさ　危ないこともたまにはしてしまうよ」とのこと、男性とは、そういうことだったのかー

８．　砂の塔　

再開後の彼らの１番の代表曲で、菅野美穂さん主演、松嶋奈々子さんも出ていたドラマの主題歌だった曲
この曲を聴くと、タワーマンションで繰り広げられる奥さんたちの住んでいる階によって決まるヒエラルキーが思い出される、、、
都会ではそんなことがあるのかー、とよくわからんなー、と思って地方の人間は見ていましたが

曲はエマの美しいアルペジオで始まるので、私の大好きなパターン
イエモン得意の切ない感じの歌詞に曲調で、アルバムの中でも切ない系で好きな曲１位
「そこに住めば　どんな願いも叶うといわれる　愛の城　上に行くほど傾いた塔　安定はしない」とタワーマンションを彷彿とさせる歌詞がポイント
「砂」のようにもろい幸せ、「砂」で作り上げた塔のように
あとはコンクリなので、まさに砂で作り上げた塔だからか

９．　Ballon Ballon　

なんか今回は、レトロなタイトなロックな感じが多いかも
吉井さんは、ソロのときに７０年代の歌謡曲、ロックの曲で影響を受けた曲をカバーするアルバムを２枚リリースしていますが、その中にありそうな曲

左・カバーアルバム、右・LAぽいジャケの吉井さんソロ作

「膨らんで　膨らんで　飛びます　飛びます」という歌詞、母が聞いて、あの往年のギャグかと反応
吉井さんはそういうレトロなことが好きなので、絶対それを意識していそう

１０．　Horizon　ギターの兄、EMMA作詞作曲

これは、ツアー中にギターの兄と、ドラムの弟の父上が亡くなってしまったときに、兄が作った曲
基本的に、イエモンの曲は、吉井さんの曲が多いんですが、この曲だけは大事な曲で、兄の渾身の一曲

そういう内容なんだ、と思って聞くと、涙が止まらない、、、きれいな曲で、鎮魂歌という感じかな（今回は２曲、そういう曲があるな）
「アルバムの中の思い出はとてもいとおしくて　透けた肌色の太陽　ずっと抱きしめて」

「今の自分　望み通りかい　目の上のなんとかなんて人それぞれさ　外からなんて何もわからないさ」という歌詞や「大丈夫　僕らいつも君の味方だよ」という最後の歌詞も良いですね
優しいお兄さんらしい歌詞で、素敵です

そして「あの夏の夕立くらい泣いていいから　川のような道みたいに　流してくれるだろう　WE　MUST　GO　ON！」
これからのイエモンの曲も、きっと父上は、「カラフルなトンネル」や「打ち上げ花火の向こうで」聞いてくれている

１１．　Titta Titta

楽し気な感じで始まる曲で、「あんまりナーバスになってると　蜘蛛とハエがたかるぞ」という歌詞が、ちょうど落ち込んでいる瞬間に聞こえて来て、吉井さん今の私の話、聞いていたかと面白かったです
「お日様サンサン　星もキラキラ　この世は最高だよ」とのこと
前の切ない曲から一転してラストまで畳みかける

１２．　ALRIGHT　

この曲は、２０１６年の再開時の１曲目で、大事な復活の歌
「何よりもこうしていることが奇跡と思うんだ　命はいつか絶えるだろう　だけど　最高の出会いが　もう一度はばたけ」という歌詞が素晴らしい
ここにも「猿」という歌詞が出て来るなあ

そして、曲の冒頭が、あの「LOVE　COMMUNICATION」を彷彿とさせる入り方、「熱帯夜」みたいな最初のメロディー、「TACTICS」みたいな流れ、気になるー、歴代の曲を知っているファンをにやりとさせるフレーズ満載

１３．　I　don`t know

ラストの曲は、ベースのヒーセのカッコいいリズムから、EMMAのストロークスぽいギターリフが印象的な感じで始まり、切ないメロディーが良い曲
「灰になったとしてもあの情熱だけは忘れない」と宣言し、アルバム終了です

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今日は年に一度の６９（ロック）の日ということで、ロックの部屋の記事、３枚書かせて頂きました