スレート王の館は残念ながら大津波で失われた

場所・ 宮城県石巻市雄勝町明神字明神55

竣工・ 文久2年~昭和4年(1862~1929)

設計・ 木村金次郎 

構造・ 木造2階建て スレート貼り

最終訪問・ 2009.05 GW

*現存せず *「日本の洋館」藤森照信・著で紹介

宮城県沿岸部、石巻市の雄勝町地区にあった世にも珍しい全身スレート貼りの洋館ですびっくり
雄勝町は江戸時代より硯用の石が産出し、仙台藩の「お留山」として厳しく管理され、今でも日本の硯の90%を生産しています乙女のトキメキ

 

内部は非公開でしたが、本には載っているのでUPしました


スレートの生産は明治時代からで山本儀平、篠崎源次郎という2人の商人によって見いだされ、みちのくの一漁業寒村は好景気に乗りますうお座

その恩恵を受けたのが海産物商で成功していた木村家ですおじいちゃん
金次郎の父はその元手で鉱山権を得て、昭和の息子の代でピークを画されましたお父さん

 

木村家 土蔵 スレート貼りの土蔵なんて世界でもここだけだ

 


金次郎は次男(次郎だけにね、長男は金太郎か)ですが、長男が田舎を捨てて上京してしまったので金次郎の画家への夢は家業を継ぐために絶たれてしまいましたガーン
しかし、彼は「持ってる男」だったらしく第一次大戦の好景気、海運、カツオ漁で大成功しカツオ船の開発で日本記録を達成します上矢印
やはり父同様、優秀で運の良い家系なのですハート
それと今と変わらぬ富が富を生む図式キラキラ
手漕ぎ船からスタートしたのに当時の田舎企業としては従業員500人の大企業でしたびっくり
ここまでの多角企業ぶり、ただ者ではない親子でしたウインク

 

「雄勝石ギャラリー」 設計は木村金次郎

 

 

その金次郎は代々受け継いだ家を洋風に改築しましたキラキラ
住まいについては世界初の壁面を全てスレートで覆った建築で、デザインも優れていますイエローハート
世界の中でスレートを好んで使うのはフランスとドイツですがそちらでもこんな例はないらしいですびっくり
スレートを表現の中心に据えた世界最初の建築がこのみちのくの片隅にかつてありましたハート
現存しない今、かえって伝説化してしまいましたねウインク

 

「雄勝石ギャラリー」 設計・木村金次郎 昭和6年(1931)

 

窓周りの白とスレート壁の黒のシャープな感覚と、全体のロマンチックな形が一つとなって明るく楽しげでかつほのかな緊張感を含むユニークなデザインが生まれましたハート
ただの素人にできるデザインではありませんガーン
もしかしたらここで金次郎は画家の夢を果たしたのかも知れませんびっくり
しかし、この2年後の2011年3月11日の大津波で全て失われてしまいましたガーン

                     *

中でもここへ来た目的の「木村金次郎邸」が一番素晴らしいです
義理チョコ
今日の雄勝スレート創業者の木村家の邸宅ですハート

 

「木村満邸」 大正11年(1923) 設計は金次郎とも

 

全て白&黒の組み合わせの洋館で壁のスレートの張り方が変化に富んでいて面白かったです義理チョコ
これが残っていないなんてああ悔しい!
ここから見た雄勝湾は湾内なのでとても静かで水が深緑色できれいだったのに、、、
あの防波堤を大津波は越えて来て何もなくなってしまった雄勝地区の映像をTVで見てしまい、とても残念な気持ちでいっぱいでした
ガーン

 

今はもうかつての写真に残るのみ


でもスレート産業は続いていて町の復興に役立っているようなのでそちらを応援したいですねウインク
そちらも自然の恵み、魚も自然の恵み、やはり自然は富も与えるが奪うこともするんだろうなあと思いましたえーん

洋館・スレート・邸宅好きの方にもオススメです(^^♪