★有栖川宮威仁親王殿下が猪苗代湖に魅せられた別荘★
場所・ 福島県耶麻郡猪苗代町翁沢字御殿山1048-14
電話・ 0242-65-2811 HPあり
竣工・ 明治41年(1908)
構造・ 木造2階建て 8角塔屋付 スレート葺き
建築面積492㎡ 延面積927㎡、総高18m
開館・ 9~17時 季節で変動有 360円(当時)
最終訪問・ 2008.04 記念すべき県外の洋館1棟目スタート物件
*国・重要文化財 *ロケ多数
福島県中央部、磐梯山の麓に位置する猪苗代湖畔にある宮様の別荘です
明治40年8月、有栖川宮威仁親王殿下(ありすがわのみやたけひとしんのうでんか)が東北地方を御旅行中、
猪苗代湖畔を巡遊され、その風光の美しさを賞せられてこの地に御別邸を建設することを決定されました
明治41年8月竣工
翌9月、皇太子嘉仁親王殿下(大正天皇)の行啓が有り、同御別邸を「天鏡閣」と命名されました
これは李白(りはく)の句「明湖落天鏡」に由来しています
1階 階段前の廊下のマントルピース
昭和27年12月、高松宮宣仁親王殿下より福島県に御下賜されました
福島県は、以後天鏡閣を会議、講習会等に利用しましたが、建物の老朽化により、昭和46年4月より使用を中止しました
1階 食堂のマントルピース 舶来品のマヨルカタイル
本館は、2階建て天然スレート葺の八角塔屋付で、外観は変化に富み、建築面積492㎡、延面積927㎡、総高18mとなっています
玄関を入ると中央廊下で仕切られており、南側には主要室を、北側には小室を配しています
1階の南側には玄関より食堂、客間、撞球室を配して接客の場とし、2階の南側は東から御寝室、御座所、御居間、西客室等のプライベートな一角となっています(基本的な明治の洋館の造り)
1階 客間の照明、部屋全体 ロココ様式
別館は、平常の管理用事務所、あるいはその宿泊所として使用したものと考えられ、簡素ではありますが本館に倣った外観を呈しています
表門は、煉瓦造りの柱門で、両開きの鉄柵扉を吊っています
1階 客間のマントルピース 舶来品のマヨルカタイル
福島県は、国指定重要文化財としての修復工事完了に伴い、家具調度品を復元し、併せて高松宮殿下から御下賜された有栖川宮殿下ゆかりの品々を館内に展示して、明治の香りを今に伝えるべく、天鏡閣を一般に開放しました
鬱蒼とした樹木に囲まれた天鏡閣ですが、建築された頃は樹木も少なく、遠くからでもその優雅な姿を望むことができました
磐梯山と猪苗代湖を目前にひかえるこの地は、避暑や賓客のもてなしに絶好の土地柄でした
1階 ビリヤード室 マントルピース
建物の内部も、それぞれの部屋ごとに、ルネッサンス様式の意匠をこらして、大変優雅な造りになっています
また、豪華なカーテンやジュータン、そして各室の天井に吊るされた絢爛(けんらん)たるシャンデリアは明治後期における皇族別邸の気品ある豪華さを物語っています
(さすが庶民とはまるで別世界ですね)
2階 使用人を呼ぶためのベル さすが宮様
*
初めての県外のレベルの高い本格的な第一目的地の洋館
はやる気持ちを抑え、Pに車を停めると県外ナンバーもいます
でもオフシーズンのためか割と空いてそうです
年季の入った正門は映画のロケにも使われています
正門を通ると左手に建物が見えて来ます
2階 御居間 照明
なんか2棟も建物があるぞ
手前の方は別館の管理事務所のようです
木造2階建て、破風にバージボードは付いていますが割とシンプルな洋館です
色は本館と同じ白で、かつては召使の棟だったのでしょうか
本館はまさに白亜の殿堂
全体を回って見てみるとかなり大きな建物のようです
正面の車寄せの上のは豪華な手摺が付き、2階の屋根にはドーマーウィンドウが2つ付き、煙突まで付く豪華仕様、、、
さすが宮様の別邸だけあって誠に優雅な雰囲気です
外観だけでこんなに楽しめるのですから、中もかなり期待ができます
2階 附属室 可愛いピンクと白で統一
受付で2人分の料金を払うと、控室のような小部屋にもさっそくマントルピースが
しかもマヨルカタイルではないですか
憧れのマヨルカタイルにこんなところで出会えるとは、、、
さすが宮様(2回目)
ですがこんなのはまだ序章です
次の部屋は食堂ですが、これまたジャゴビアン様式と呼ばれる豪華絢爛な英国風の部屋です
シャンデリアの付く天井飾りも漆喰の鏝で造られた、かなり凝ったデザインです
それに続く客間は今度はロココ様式
フランスの御姫様が出て来そうな雰囲気です
この部屋にもマヨルカタイルのマントルピースがあります
やはりここは東北で寒い時期が長いためでしょうか
そこからドアでつながっているビリヤード室は、落ち着いた緑の壁紙で照明も凝ったもので手元を照らすようなデザインになっています
かつての上流階級の間ではビリヤードをすることがステイタスだったようです
いちいちマントルピースも各部屋が違うタイルを使っているため素敵です
ビリヤード室から廊下へ出るとここにもマントルピースが
ここのものはアールヌーヴォースタイルなので鏡付でタイルは付きません
暖房対策はばっちりの洋館です
ここから階段を登り2階へ
2階の間取りは1階は客をもてなす間取りだったのに対し、プライヴェート用になっています
壁には当時の使用人を呼び出す用のベルが付いています
貴重なものはもう1つあります
手洗い台が英国製のジョンソンブラザーズのものです
金蛇口のいわゆる舶来品です
別館 現在は管理棟 本館の手前にある
2階はまず、附属室と呼ばれる小部屋はロココ調の家具でまとめられ、絨毯はピンク
御寝室のマントルピースは桃の絵のタイルでなんだか可愛いです
(福島県は桃の産地で有名)
「附属室」で良いので住みたいものです
御居間の天井飾りは豪華でマントルピースは大理石
すべてにおいてレベルの高い、宮様の館でした
恐るべし、、、この3年後に見た、港区白金の宮様の昭和初期のアールデコの邸宅、「東京都庭園美術館」もすごかった、、、(記事あり)
県外の1軒目がこんな素敵なところで良かったです
別荘・宮家・洋館好きの方にもオススメです(^^♪