★朝香宮の白金本邸はアールデコの宮邸
2階 若宮、殿下居室★
場所・ 東京都港区白金台5丁目21-9
電話・ 03-3443-0201(代表)
竣工・ 昭和8年(1933)
2014年11月リニューアル後再び公開開始
設計・ 実施設計 宮内庁内匠寮工務課技師 権藤要吉
内装基本設計 フランス人 アンリ・ラパン
ガラス装飾工芸家 フランス人 ルネ・ラリック
施工・ 戸田建設
構造・ 鉄筋コンクリート造2~3階建て
開館・ 10~18時 内部は展示会により料金変動
庭園のみ見学は200円 2015年4月より一部公開 *当時の御値段
最終訪問・ 2011.10
*東京都・有形文化財
★若宮寝室・合いの間・若宮居間
昭和8年(1933)2階
建物2階東側の約3分の2を占めるのが若宮寝室・合いの間・若宮居間の3室です
北東の角に位置し2面採光の開放的空間を持つ若宮寝室、白漆喰のヴォールト天井と淡い漆喰壁のコントラストが和洋混合の面白さを持つ合いの間、
正面玄関の屋根をベランダとし、大理石の暖炉をもつ若宮居間
各部屋とも天井の白と木部の茶の対比が印象的です
1階の照明はラリック等の制作によるフランスからの輸入品、2階の各部屋の照明は宮内省内匠寮のデザインによる国産品です
各部屋毎に意匠が凝らされた照明器具も朝香宮邸の見どころのひとつといえましょう
若宮 合いの間 照明 ○が特徴 丸いヴォールト天井も
(設計・宮内省内匠寮)
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この部屋は次世代当主の部屋ということで、こちらもなかなか凝った造りになっています(姫は一番奥に対して扱い違うな)
面白いのが、ヴォールト天井で天井が丸くなっていることです
こういうのは教会などで見たりしますが、個人の家の部屋だとモダンで良いですね
窓際には半円の張り出し部分もあり、照明も丸いモチーフになっていて「円」が特徴となっています
床は寄木細工、マントルピースは大理石と部分を取っても良い造りとなっています
それにしても和室が一切ないというのがこの時代の邸宅にしては珍しいですね
さすがは海外を意識した宮様御一家の生活なのでしょう
ここは王子様の部屋だけあって男の子の部屋にしてはきれいでお上品ですね
洋館・アールデコ・円モチーフ好きの方にもオススメです(^^♪
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★殿下書斎 昭和8年(1933) 2階
書斎は正方形の部屋の隅に飾り棚を設置することにより室内を円形に仕上げています
シトロ二エ材の付け柱が配置され、天井はドーム壁を形作り、間接照明も効果をあげ求心的な空間が演出されています
絨毯、机、椅子は当時殿下が使用されていたものです
室内、家具などすべてに統一したデザインが施されています
左隣には書庫が併設されています
書庫 アンリ・ラパン デザイン
(内装・アンリ・ラパン)
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★殿下居間 昭和8年(1933) 2階
高さのあるヴォールト天井が限られた空間に広がりを与え、シトロ二エ材の付け柱、大理石の暖炉と鏡が落ち着いた品格を添えています
殿下 居間 照明 アンリ・ラパン デザイン
ヴォールト天井
ラジエーター・カバーのデザインにはアール・デコによく見られる噴水がモチーフとして使われています
ラジエーター・カバーと付け柱上部の飾りは日本で設計、電気鋳造により製作されました
(内装・アンリ・ラパン)
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殿下の書斎と居間はフランス人デザイナー、アンリ・ラパンのデザイン空間になります
さすがはデザイナーズだけあって、お洒落なアールデコの書斎と居間です
特に書斎の曲線や円を使った空間が面白くて、この書斎自体も丸い部屋になってるんですよね
ここは中に入ることはできなくて、外から覗いて見るだけなんですが
殿下 居間 マントルピース 大理石
居間の付け柱も柱頭に装飾があって、この柱の材も良いものみたいですね
日本建築で言う床の間の銘木といったところでしょうか
マントルピースは大理石、ラジエーターカバーも噴水のデザインでパーツを取っても素敵な空間です
ここはどうにか窓際だけでも写真が撮れました
さすがは主人の部屋だけあって2階の中では一番手の込んだ良い部屋だと思います
洋館・アンリ・ラパン・アールデコ好きの方にもオススメです(^^♪