旧薩摩藩士の公爵の別荘地は高校の農場として残る

場所・ 栃木県那須塩原市下永田3-4-346 (現・那須拓殖高校)

竣工・ 明治36年(1903)

構造・ 木造、煉瓦造り平屋建て 

最終訪問・ 2009.07 

*栃木県・有形文化財

栃木県北部、別荘地と温泉で有名な那須塩原市の高校の農場内にありますクローバー
大山別邸は、明治元勲・大山巌が建てた和風と洋風の2つの別邸ですお父さん

和館は大山農場開設後まもなく、農場事務所の敷地内に木造平屋建ての和風別荘(229㎡)として建てたといいます(和館が先か)日本
 

素朴で重厚な造りの洋館(189㎡)も建てられました乙女のトキメキ
現在この洋館は大山記念館洋館として栃木県の有形文化財に指定されていますキラキラ
 

また、別邸の北側には那須野が原の冬の強い季節風を避けるため当時築かれた土手が残っています波

 

スクラッチタイル張りの門 昭和初期か



洋館は農場で焼いた煉瓦を豊富に使って築いた玄関ポーチ乙女のトキメキ
アーチ天井は煉瓦の長い面をつないだ「長手積」、上部は長手の層と小口の層を一段ずつ繰り返す「イギリス積イギリス
 

長手と小口を一つ置きにつなぐ「フランドル積」のバリエーションもありますフランス
煉瓦積の多彩な工法が大きな見どころです乙女のトキメキ
 

ちなみに「フランドル積」は日本で「フランス積」とよくいわれますが、正しくは「フランドル積」ですフランス

大山農場は1881年(明治14年)に、大山巌と西郷従道が共同で開設した加治屋開墾場を1901年(明治34年)に分割し、大山巌個人の農場として成立しました乙女のトキメキ
 

当初の農場面積は約243haで、牧畜・林業などの直営と耕地小作を主とした経営を行っており、特に直営地耕作や牧畜経営は那須野が原の大農場の中でも特色ある事業となっていましたクローバー

 

入口正面の建物 瓦からしてこれは戦後の昭和期かも


農場は開設以来、華族世襲財産法によって土地の売却がほとんど行われませんでしたが、戦後、農地改革や未墾地開放によって農地や山林の多くが開放され、事実上農場は解体しましたウインク


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大山巌(おおやま いわお) 元帥・公爵

西郷隆盛のいとこで旧薩摩藩士ですお父さん
1842年(天保13年)に鹿児島の加治屋町に生まれ、江戸の江川塾で砲術を学びました銃
 

明治維新後、フランスに留学して軍事学を学び、日本陸軍の建設に当たります日本
長年、陸軍大臣を務め、参謀総長に就任、政府内でも大きな影響力がありました筋肉

日清戦争では第二司令官日露戦争では満州軍総司令官として戦地に赴きましたが、大正5(1916)年、75歳で没しましたおじいちゃん
 

生前の意向により国葬後、ここから北へ約700mのところにある大山元帥墓所に埋葬されましたおばけ
ちなみに現在、西郷隆盛さんの肖像画は鼻から下の部分がこの方の肖像画になっていますお父さん
 

目から上の部分は西郷さんの実弟の肖像画でその2つを合わせたものが西郷さんの顔ということになっていますが、実際は違う顔のようですゲッソリ


西郷さんの薩摩は今年の大河ドラマで話題の地ですが、さすがに鹿児島まではなかなか行けない、という方は関係者のゆかりの地なので、こちらはいかがでしょうか!?

 


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ここのことは事前に
戦前の別荘建築の本で読んでいて知りましたキラキラ
それで実際に見てみたいということで今回来てみたのですが、最後の段階で高校の前まで来て敷地が広過ぎて場所がわかりませんでした学校
 

そこで連休でしたが問い合わせ先に聞いてみたら場所がわかりましたアセアセ

普通に案内してくれたので、外観のみなら無料で公開しているようです口笛

 

「大山記念館」 (旧大山別邸) 外観のみ自由見学


この日は7月だったため湿気がすごくて蒸し暑くて熱中症で具合が悪かったですガーン
夏の栃木の蒸し暑さは半端ないですね、高原リゾートのイメージだったのでとんだ誤算でしたショボーン
 

そこに行くまでは蒸し暑い場所を通らなければいけないというか、全然平地は涼しい別荘地ではない、というのがわかりましたゲッソリ
 

なんでこんな蒸し暑い場所にわざわざ別荘を作ったのか、当時は涼しかったのでしょうか?

ちょっともう、真夏の関東には行けなそうなので、どうにかならないでしょうか、この気候ゲッソリ


 

煉瓦の別荘は高校の敷地内の広い農場部分にありましたクローバー
ていうか元は大山農場が先にあって、後から高校の敷地になったということですが学校
 

大山農場の門はスクラッチタイル貼りで昭和初期からの古いものだと思います口笛
入口にはPと事務所棟のようなものがあり、ここで車を降りて敷地に入って行きます(特に受付なし)おねがい

 

明治時代に最初に建てられた和館  枯山水のような庭も


すると奥の方に煉瓦の洋館が見えて来ますチョコがけハート
隣には平屋建ての和館も保存されています日本
記念館といいますが、この日は開館していず中を見ることはできませんでしたアセアセ
 

なので外観だけ見学をして来ましたがなんとも、、、お洒落な煉瓦の洋館という感じくらいかなニコニコ
すでに120年近くが経過していますが、これからも現役で大事にされて行ってほしいです口笛

洋館・煉瓦・別荘好きの方にもオススメです(^^♪