重文、名勝 「関川村・「豪農・渡邊邸」」 街道に面した重厚な主屋
☆平成の大修理を終え、4/5の日曜から再公開☆
場所・ 新潟県岩船郡関川村下関
電話・ 関川村観光協会 0254-64-1478
時代・ 江戸時代(1817)
構造・ 木造2階建て 撞木造り 蔵
料金・ 600円 9~16時 4月5日~ 再公開
最終訪問・ 2007.07
*国・重要文化財 *国・名勝
新潟県の北部、山形県との県境にある清流・荒川の流れる関川村にあります
初代・儀右衛門善高は、村上藩主・平大和守直矩の家臣で郡奉行をしていましたが、家督を子に譲るため1667年、現在地へ移転
「渡邊邸」 主屋 土間の大空間 1817年築(築200年)
この壮大な大空間が見せ場ですね 国・重文
2代目・三左衛門善延は廻船業を営み酒蔵業を開業
3~7代は米沢藩を助け数々の恩恵を受けました
全盛期には75人の使用人、約1000町歩(1000m2)の山林経営と約700町歩(700m2)の水田から約10000俵の小作米を収納しました
「渡邊邸」 土間の梁 うねるような重厚な小屋組 龍の背
これだけの大空間を支える梁の長さは、、、撞木造り
母屋は切妻造り、豪壮重厚な建物です
幾度かの火災の後、1817年に再建されたのが現在に残る建物です
母屋を南北に貫通する土間に面して茶の間、中茶の間、台所と続き土間は採光のため吹き抜けになっています
反面、大座敷、二之間、納戸座敷などは繊細な数寄屋風
壮大さと繊細さを併せ持つ建築です
「渡邊邸」 二の間へ続く 年代ものの古時計
衝立も骨董品の良いものなのでしょうね
なお、ここはNHK大河ドラマ「蔵」(宮尾登美子原作)のロケ地としても知られています
昭和29年、国の重要文化財、昭和38年国の名勝に指定されました
これはえちごせきかわ温泉郷(新潟県の温泉・銭湯・宿・ホテルのテーマに記事あり)と並ぶ関川村の宝です
*
初夏のある日、荒川を遡りはるばる関川村までやって来ました
日曜なのですが辺りにあまり人がいません
目の前は村役場
時折、ツアーバスの客がいるくらいです
ここは昔、米沢街道の宿場町だったそうです
その頃は賑わっていたんだろうなあ、と思いつつ中へ
「渡邊邸」 茶室 天井板の木目が面白い
この辺りは優雅な数寄屋で庄屋の生活が垣間見える
入口を入るとまず土間の大空間に驚かされます
土間は地域の人のふれあいの場になっている様子
そこには囲炉裏があり、中は薄暗いです
採光の窓には鳥が巣を作っていました
「渡邊邸」 国・名勝に指定されている遠州風池泉式
欄間の壁も青い壁で格式の高いもの 今は橙色になった
庭へ出ると蔵がいくつも並んでいます
米蔵・味噌蔵・金蔵・宝蔵・新土蔵・裏土蔵と現在6棟残っていますが、昔の屋敷図を見ると12の蔵があったことがわかります
主屋を庭側から見ると板葺き石置きの屋根がよく見えます
この屋根を修復する技術が貴重なんだそうです
「渡邊邸」 庭園側から見た板葺石置き屋根
この屋根を葺く技術が貴重 6年間の大修復も終了
奥の大座敷へ行くと雰囲気がガラリと変わります
これぞ豪農、という佇まい
この遠州風の庭園は国の名勝に指定されている優雅な池泉式のものです
江戸時代中期、京都より遠州流庭師を招き構築されたもので、石材の多くは紀州、小豆島、京都鞍馬石など関西方面のものが使用されています
「渡邊邸」 町並みのように連なる6棟の蔵 立派ななまこ壁
米蔵・味噌蔵・金蔵・宝蔵・新土蔵・裏土蔵など
そんな遠くから庭師を招いてまで庭を作り、しかも材料も遠くの関西のものを使う(しかも石なんて運ぶの大変)なんてやはり相当のやり手、大庄屋だったんだろうなあと実感
廻船業をやっていたとのことなので、関西方面からの帰り荷に積まれて来た石を荒川の水運で運んだんでしょうが、それにしたって当時は全て手作業ですし。。。
他にも優雅な数寄屋風の二の間や茶室、資料室など見どころがあります
今まで公開されていなかった居室部分も今回から公開されるそうなので、1回行ったことがある方もまた行って見てみては
古民家・街道・豪農好きの方にもオススメです(^^♪
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