★日本有数の大地主、日本海側では最大の豪農の館★
場所・ 新潟県新潟市江南区沢海(そうみ)2-15
電話・ 025-385-2001
設計・施工・ 斎藤 金蔵
庭師・ 田中泰阿弥(京都・銀閣寺ゆかり)
竣工・ 明治23年(1891)
構造・ 木造2階建て 土蔵
ロケ・ 映画「椿三十郎」織田裕二主演
料金・ 800円 9~17時 *当時の情報
最終訪問・ 2007.07 友人と
*国・登録文化財
*本・新潟日報社「越後の豪農巡り」表紙
*映画「峠 最後のサムライ」ロケ地
*TV「バリバリバリュー」で土田輝之が訪問
*BS「高島礼子の蔵の中には何がある?」で紹介 2020年12月
新潟市の農村地帯の江南区にあり新潟県最大の豪農の館です
明治時代は実は新潟県が東京や関東よりも一番人口の多い県で、その中でも中心となった全国長者番付にも名前が載ったようなすごい家です
現在でも非公開部分に当主の方が生活しています
「伊藤文吉邸」 門土蔵 明治23年(1891)築
現在でもこの辺りの土地は全て伊藤家のもので、かつての横越町はほとんど伊藤家の敷地でした
当時は現在の新潟市、燕市を通り越して弥彦村の辺りまで人の家の土地を踏まずに行けたというのですから、現在で言う市の規模の土地を伊藤家が全て持っていたことになります
「伊藤文吉邸」 正面玄関 式台 まるで寺院のよう
実際はここからは入れない 特別な人、ときだけ
ですが、戦後の農地解放(出たこれでほとんどの戦前の金持ちが没落した)でほとんどの農地を没収され現在は財団法人となり現在の家屋・土地を維持している状態です
でも、財産を残せたのは、そのときの当主が戦前に留学したアメリカの大学があったんですが、GHQから派遣されてきた方が、なんと同じ大学の後輩だったことで、財産を没収されずに財団法人として残すことができました
これはもう、運命というか、すごい御縁で残された館なのですね
そのおかげで観光客がこの家を見学できるんですがね
敷地内には結婚式のできるイタリアンレストランやそば店、旅館「大呂庵」(2食・16500円~(5名から)、記事 有)などがあり多角経営で商売をしています
「伊藤文吉邸」 建物の屋根、光取り部分
そんな伊藤家は江戸時代中期、農より身を起こし代を重ねて豪農の道を歩みやがて巨万の富を築き、越後随一の大地主となった一族でした
明治に入り次第に農地の集積を図り全盛期には1市4郡64か村に1370町歩の田畑を所有、昭和期には県下一となり作徳米は3万俵でした
当時、従業員(奉公人)も50人以上抱えていました
しかし、時代は変わり戦後の農地解放によりこれらの土地は伊藤家の所有から離れてしまいました
「伊藤文吉邸」 「常盤荘」 茶屋 離れ
伊藤家の全盛期に明治15年から8年がかりで建てられた伊藤家の豪壮な本邸は敷地8800坪(29100m2)建坪1200坪(3967m2)部屋数65を数える純日本式住居で大広間からは小堀遠州作の回遊式庭園を愛でることができます
良寛書など文化財・美術品も充実しています(没収された割にはまだあるのか)
「伊藤文吉邸」 「三楽亭」 玄関 三角形の茶屋
遺構保存のため「財団法人・北方文化博物館」が創設されこれに全部寄附されたものです
長年の風雪に耐え往時の面影をそのままに豪農・伊藤家の暮らしを今に伝えてくれます
平成12年4月、国の登録文化財に指定
なお、ここは織田裕二主演、映画「椿三十郎」のロケ地としても知られています
そして、2020年後半からは、大ヒットアニメの「鬼滅の刀」の世界観に庭や館が似ている、ということで話題になっていて、コスプレの若者が来るようになったとか
旅館「大呂庵」 豪農の迎賓館 国・登録文化財
大正時代(1920)年築 2食・20000円~
5名より
長くなったので続きは見学編へ
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