なんということでしょう
ニコニコの一族に囲まれてる私。
しかめっ面の一族には何度も囲まれてきたけれど
こ~んな満面の笑みを湛えた一族オヤジに囲まれたのは
結婚して初めてのこと
囲み取材を受ける、さながらアイドル
旦那は義父の弟にあたる人にガッツリホールドされている。
残るメンツで私を囲む。
阿吽の呼吸で素晴らしすぎる一族のチームワーク
さすがっす
さて。
どうしよっかなー
難点は、皆揃って頭だけはいい
なら私はアホキャラでいくか
真面目に対抗すれば熱くなって返ってくるだけ。
面倒くさいもんね
一族A「お前さん(多分私の名前すら憶えてないんだろっ)の働きは皆よぉくわかってるからな!」
私「ありがとうございますぅ~」
過去に、≪躾のされてない犬でも、もう少し利口に立ち回る≫って言ったその口でよく言うわ
一族B「当主を立派に支えてこその、お方様だ!お前さんには充分素質がある。知識も教養もある。
お前さんは選ばれた人間だってこと、理解してるな?」
私「え~なんか、そんな風に言われると照れちゃいますぅ~」
お方様?なに、旦那は戦国武将か何かか?
なんなら私は姫だったのか~?
一族C「その通り!おまけに看護師免許を持ってるなんて、大きな強みだ!
当主の嫁として申し分ないどころか、ありがたいとさえ感じる。
医療関係者が身内にいるのは大きな強みだ!」
私「うふっお役に立てたらいいですけどぉ」
おまけだと?
あの看護実習を乗り越えて取得した看護師免許を≪おまけ≫で語るな!
全国の看護師様に平身低頭謝罪しろっ!
間違っても、一族の為に役立てることはないけどね。
一族D「ちえこさんがいてこその○×△□☆#$&・・・・」
私「うふふ」
名前から間違ってるヤツの話は笑顔で流す。
そこへ一族のひとりに連れられて義母登場・・・
一族「もう大丈夫だ!何の心配もいらん!
嫁さんは賢い立派な人だ!安泰安泰!」
義母「そうなのよかったわぁ
ちえみさんは誰の言うことも聞かない人だから心配したけど
よかったわぁ」
さて、と。
捕獲されたままの旦那はスルーして
一丁反撃としますか。
アホキャラタイム終了~
私「こんな風に、たくさんお褒め頂いて光栄です。
ですが、この度主人との離婚が正式に決まりましたので
今後、私がお墓やお義母さんのことでお役に立てることはございません。」
一族&捕獲旦那の視線が一気に集まる
私「あ、お義母さん?ホームの件ですが、だいぶランクを下げたらしく、設備やお食事などは、あまり快適とは言えないそうです。
実家売却金を全額ホームに充てるなら、もう少しランクアップできたと思うのですが
主人が不倫相手と密会するためのアパートを借りる費用を、その売却金から捻出することにしていたので
どうしても最安値のホームにしたかったようなんです。
でも、プロの方がお世話して下さるし、イベントやレクなどもあって楽しそうですよ。
良かったですね。」
一族&捕獲旦那がフリーズしてる最中に畳みかける。
離婚届をバックから出して、テーブルに広げる。
私「あ、どなたか印鑑お持ちですか?
保証人欄に署名と捺印、頂きたいのですが・・・
ここで完成すれば、帰り道に提出できるので。」
まあ、誰も書いてくれないよね。
たとえ印鑑持ってても。
私「この後実家によって、保証人欄を記入してもらわないといけないので・・
本日はありがとうございました~
失礼します~。」
得意の勝手に〆る手法。
旦那に、バイバイと手を振る。
車乗ってくから歩いて帰って来い、の念を込めて
車に乗って、感じた爽快感。
やっとやっと、やーーーっと
あの一族から解放されたんだ
私の人生の一部分を漆黒に染め上げた人たち。
さいなら。