1ヶ月くらい前から、視線入力PC のクリックは右足の足裏に置いたセンサースイッチを踏むことで行っている。

 

それまでは右手の薬指と小指でエアバッグ式のセンサースイッチを押していた。私の両手の中で、この2本の指が自分の意思で動かせる最後の指だった。

 

文章を長時間打ち続けて手が疲労してスイッチが押せなくなったら休憩時間にする、ということにしていたが、その休憩と休憩の間隔がどんどん短くなっていることに気づき、スイッチ操作を手から足に切り替えたのだった。

 

スイッチ操作に使わなくなるとそれまですごく注意を払っていた手の指の動きへの関心が薄れていった。

 

そして今日、ひょんなことから右手の薬指と小指を動かそうとしてもピクリとも動かないことに気付いた。いつから動かなくなったのか分からない。

 

ALS発症当初は体の一部が動きづらくなるたびに動揺し、悲嘆にくれたものだ。それなのに、大切な両手のうち最後まで頑張って動いてくれていた指がとうとう動かなくなってしまう瞬間に対しては随分と無頓着だったことに我ながら驚く。

 

 

この病気と付き合っているうちに知らず知らずのうちに身についた“脳のリミッター”の作用なのかなぁ、などとしみじみ思う。