2024年問題から2か月が経過して【建設業】 | sa19830701

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ローカル路線バス乗り継ぎの旅のファンで、この影響を受けて、各地区が運行されるバス会社、運行する区間の国道や都道府県道の路線についても興味を持つようになりました。
私は、常に日本全国の道路地図、鉄道地図、時刻表を所持して、経路のリサーチをしています。

 2024年(令和6年)4月1日より長時間労働がこれまで常態化してきた物流輸送業、旅客運送業(主にバスやタクシー)、建設業、医療機関、鹿児島県と沖縄県における砂糖製造業に関して、2019年(平成31年)4月1日より大企業で、中小企業は2020年(令和2年)4月1日より開始した残業時間の上限規制に関する5年間の猶予期間が2024年3月末を以て終了し、各業種、残業時間の上限を厳守しなければならなくなってから2か月が経ちました。


 特に建設業の場合は労働時間が極めて長く、2024年4月1日より原則として休日労働を含め、360(時間/年)以内及び45(時間/月)以内の時間外労働を厳守しなければならなくなりました。

 臨時的に上記について超える必要がある場合でも、

①休日労働を含め、45(時間/月)を超える時間外労働は6(回/年)以内。

②休日労働を含め、時間外労働の上限は720(時間/年)以内。

③休日労働を含め、100(時間/月)未満及び2~6か月の間で平均80(時間/月)以内

 以上、3つの条文は絶対に厳守しなければなりません。
 但し、2024年元日16時10分に発生しました石川県能登半島地震(2024年6月3日6時30分過ぎに2024年元日16時10分に発生した石川県輪島市と珠洲市で震度5強の地震発生による石川県能登半島地震の一連災害も含む)に関連する災害の復旧や復興の事業に関しましては③の条文のみ適用除外です。

 

 

 2024年5月末現在、建設業の就労人口をみますと、55歳以上が全体の3分の1を上回る36パーセントで、そのうちの60歳以上が全体の推定で4割を超える勢いで上昇しており、それに対して30歳未満は全体の推定で1割にも満たない状況に陥っているなど、あと10年くらいすればその60歳以上の方々が建設業界から引退することになり、その結果、30歳未満の建設労働者に対しての技術や技能の伝承が上手くできなくなるなど、極めて深刻な状況です。

 一番の問題は待遇の関係で、早朝から日付が変わる深夜にかけて連日の残業や毎週土休日出勤を強要すること、給与体系が極めて低いこと、更には労働時間は事務所から工事現場までの移動時間を含まず、工事現場にいるだけが労働時間として算定することなどです。

 労働時間については、官公庁の発注工事に関しては完全週休2日制の導入が進められておりますが、民間の発注工事に関しては工期厳守が絶対条件ということから、2024年4月1日を過ぎた現在でも、毎週土休日の出勤を強要するなど、仮に臨時的に超える必要があった場合に、①休日労働を含め、45(時間/月)を超える時間外労働は6(回/年)以内、②休日労働を含め、時間外労働の上限は720(時間/年)以内、③休日労働を含め、100(時間/月)未満及び2~6か月の間で平均80(時間/月)以内といった以上の3つの条文は未だに守られていません。

 下請を中心に社会保険未加入の業者が非常に多く、万が一、ケガや疾病になって労災が下りられませんとなれば、社会保険未加入業者から見れば重大な問題が起きるのです。

 こういう経緯から、2020年10月1日より施工体制台帳に従業員5人以上の建設業者は作業員名簿に社会保険加入に関しての記載が絶対条件となり、未加入業者が発覚した場合は官公庁発注工事の入札の参加や工事現場の新規入場が完全禁止の措置が採られました。

 そして、退職金に関して、建退共か中退共かの加入状況も記載しなければならなくなりました。

 

 最後に、建設業は作業員の絶対数が極めて少なく、55歳以上が全体の3分の1を上回る36パーセントで、そのうちの60歳以上が全体の推定で4割を超える勢いで上昇しており、それに対して30歳未満は全体の推定で1割にも満たない状況に陥っているなど、今後、どんな事情であろうが①休日労働を含め、45(時間/月)を超える時間外労働は6(回/年)以内、②休日労働を含め、時間外労働の上限は720(時間/年)以内、③休日労働を含め、100(時間/月)未満及び2~6か月の間で平均80(時間/月)以内といった以上の3つの条文は絶対に守らなければならないため、特に民間の発注業者に強く言いますが、工期厳守が絶対条件とか土休日限定の工程を組ませるという設定は行わないで下さい。

 今、建設業界は人員不足に加えて、上記の3項目の時間外労働の絶対厳守するためには、完全週休2日制(毎週土曜に出勤させた場合、32~40(時間/月)の時間外労働の発生)を義務化するか、毎週土曜出勤をさせた場合は時間外労働の完全禁止(仮に20(日/月)出勤して、45(時間/月)以内に時間外労働を行う場合は1日あたり最大2時間以内にさせること)にするかのどちらかひとつしか行うことはできません。

 サービス残業など、労務隠しを行うことやみなし残業に関しても絶対に厳禁です。

 こういうことから、最適な工期を設定せず、その結果、当初の工期が永遠に延長され、最終的には突貫工事となれば、人件費や資材などの費用は膨大に膨らみ、最終計上で赤字工事となり、経営に支障が出るレベルまで来ています。

 これらがどうしても難しいというのならば、残念ながら経営を断念して畳んでもらうしかありません。