2024年問題から2か月が経過して【路線バス】 | sa19830701

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ローカル路線バス乗り継ぎの旅のファンで、この影響を受けて、各地区が運行されるバス会社、運行する区間の国道や都道府県道の路線についても興味を持つようになりました。
私は、常に日本全国の道路地図、鉄道地図、時刻表を所持して、経路のリサーチをしています。

 2024年(令和6年)4月1日より長時間労働がこれまで常態化してきた物流輸送業、旅客運送業(主にバスやタクシー)、建設業、医療機関、鹿児島県と沖縄県における砂糖製造業に関して、2019年(平成31年)4月1日より大企業で、中小企業は2020年(令和2年)4月1日より開始した残業時間の上限規制に関する5年間の猶予期間が2024年3月末を以て終了し、各業種、残業時間の上限を厳守しなければならなくなってから2か月が経ちました。


 その2024年4月1日以降、全国的に路線バスの乗務員の絶対数が非常に少なく、その結果、過去最大級の減便を実施したり、採算の合わない路線系統の廃止、経路変更、休日全便運休、1日の最終便の発車時刻の繰り上げの実施を行うなど、路線バスの乗務員さんの労働時間に見据えた対策まで採らなければならない言う状況にまで来ています。

 

 本日、2024年6月3日よりJR北海道バスで乗務員の高齢化に加えて、離職者の増加が最大の原因となり、その結果、58人の欠員数が出たことから、平日を中心に過去最大級の24路線54便の減便を行い、1月29日より平日の2路線4便の減便、3月1日より平日の4路線17便の減便、4月1日より4路線の循環線を廃止し、片道運行に変更して終点で折り返しにするなど、2024年だけで4度目の減便や路線の再編を行いました。

 札幌市内の路線バスの概況は2024年4月1日以前からも既に問題となっていますが、東急グループ定山渓鉄道(バス事業名はじょうてつバス)においても札幌市南区役所がある真駒内を拠点とする路線バスについても2023年10月1日に46便、2月13日に32路線51便の減便、更には4月1日に27路線86便の減便し、更には豊平区役所など4つのバス停が廃止され、北海道中央バスも2023年12月1日より途中で地下鉄と並行する全路線で札幌駅直通便を廃止し、途中、鉄道駅と並行する区間の最初のバス停で折り返し運転を行うという措置を取り、4月1日にも過去最大級の230便の減便まで行っています。

 JR北海道バスは2023年11月3日より札幌市から広尾郡広尾町を結ぶ高速ひろおサンタ号が無期限の運行休止になりました。

 

 首都圏についても、2024年4月に横浜市の公営バス保土ヶ谷営業所所轄で9人の乗務員が離職し、1日に290便、そして同月22日に更に77便の減便と当月だけで総計367便が減便され、2023年度末までは日中に1時間3便あったのが、2024年4月1日より1時間に2便、3週間後の4月22日には1時間に1便にまで減らされ、更には乗務員不足の打開策として、8月のお盆期間中に休暇を取得しない乗務員さんには1日10,000円、5日間全日皆勤した場合に限り50,000円を12月の期末手当に合わせて支給するという異例の措置を取りましたが、私としては、建設業と同様に、民間の製造工場や倉庫によくあり、平日は業務に支障が出るから土休日限定のため出勤して下さいのように感じ取ります。

 なので、誰一人も同意しません。

 千葉県内においても2024年4月8日に小湊鐡道で、2024年5月25日に京成バスでも過去最大級の路線系統の廃止や減便を実施しました。

 この6か月間で約1,900便も減便されるなど、正に異例の事態です。

 

 中部地方については、長野電鉄(バス事業名は長電バス)で2024年1月21日より長野市周辺を中心に日曜全路線全便運休という異例の措置まで採られました。

 

 近畿地方では金剛バスが乗務員の欠員数の増加や採算が合わないとの理由で2023年12月20日を以て廃業し、翌日より自治体(富田林市、南河内郡太子町、南河内郡河南町、南河内郡千早赤阪村)による運営するバスに切り替わり、運行委託業者は72号系統及び73号系統喜志循環線、61号系統阪南線、35号系統さくら坂循環線は近鉄バス、23号系統千早線、42号系統7東條線は南海バスが行います。

 阪急バスについても、伊丹空港と宝塚市を結ぶ90系統空港宝塚線、阪急田園駅と大阪市に拠点を持つ梅田を結ぶ11系統阪北線、神戸市に拠点を持つ三宮と有馬温泉を結ぶ6系統三宮有馬線(神姫バスは2024年3月末を以て廃止)、豊中市と西宮市を結ぶ96系統及び97系統豊中西宮線が乗務員不足を背景に2023年11月5日を以て廃止されました。

 

 中国地方では両備グループを受け持つ両備バス、岡山電気軌道(バス事業名は岡電バス)、東備バス、井笠バスカンパニー、中国バスでは長時間労働がこれまで常態化してきた猶予期間が2024年3月末を以て終了し、2024年4月1日より残業時間の上限を厳守しなければならなくなったことから、大きな改革に着手し、その結果、乗務員の増加に繋がったという経緯がありました。

 島根県では一畑バスが2023年8月14日より平日20便、土休日16便の減便を行い、松江市の公営バスが2023年10月1日より平日15便(うち観光周遊バスレイクラインが9便)2024年2月の平日より16便(うち観光周遊バスレイクラインが10便)、土休日8便の減便に加え、観光周遊バスレイクラインが平日を中心に30分に1便だったのが60分に1便にまで減らされました。

 

 九州地方では西鉄バスで福岡地区においては2024年3月16日より平日を中心に過去最大級の469便を減便、北九州地区で53便、久留米地区で66便、福岡地区、北九州地区、久留米地区を合わせて600便近くも減らされ、更には最終発車時刻が61分の繰り上げまで行われています。

 佐賀県においては昭和バスで2024年4月1日より20路線を再編するという過去最大級のダイヤ改正を行い、10路線で最終発車時刻が60分の繰り上げまで行われています。

 佐賀市の公営バスにおいても路線バスの乗務員不足の打開策として、自衛隊の退職予定者を対象にインターンシップを行いました。

 はっきり申し上げますが、期待できる効果はないと見込んで下さい。

 長崎県では長崎バスと長崎県の公営バスにおいて、重複する矢の平線及び立神線が長崎バスに、本原線及び立山線が長崎県の公営バスの以上の4路線を一元化にする措置を採りました。

 便数については、長崎バスは平日に196便の減便、16路線が廃止、最終発車時刻が最大45分の繰り上げ、長崎県の公営バスは平日に44便の減便、2路線が廃止、最終発車時刻が最大25分の繰り上げと過去最大級のダイヤ改正が行われました。

 

 定期路線バスに限らず、これから中学校の修学旅行の時期を迎えますが、その修学旅行で利用する予定だった貸切バスを手配してもバスの乗務員の欠員に伴って、結局、突然の予約の取り消しで当初の予定が大きく狂うなど、想定外なことにまで起きています。

 最終的に代替手段として鉄道やタクシー利用という暫定措置を採る形になりました。

 

 私がYou Tubeで地方のニュースをみて分かったところはここまでですが、その他、2024年4月1日以降、採算の合わない路線バスの廃止や過去最大級の減便、経路変更など、これらを行った業者のほとんどは実施されています。

 今後、路線バスの乗務員の待遇を改善しない限り、求人募集をかけても若い人は絶対に集まらないと思って下さい。

 乗客の人混みが激しいから増便の要求をお願いしても、乗務員が集まらなければ路線バスの増便の見込みは完全にゼロだと思って下さい。

 乗客の多少に関係なく、100パーセント減便することは絶対に覚悟して下さい。