三輪明宏主演の舞台「黒蜥蜴」を見に行きました。
母の誘いで、何も知らずに行ったのですが、その独特の世界観にすっかり引き込まれました。
優美さ・謎めき・倦怠感・苦悩といったものが、全体にくまなくきらびやかに装飾されている、と言いましょうか。
表現力がなく、うまく言い表せません。
江戸川乱歩原作、三島由紀夫脚本と聞いて、「これがあの!」と、納得しました。
あの異質感に実際に触れることができて、貴重な経験となりました。
しかし、実は一番感動したのは、劇中ではなく、カーテンコールです。
もう覚えていないのですが、7回以上は幕が開いたと思います。
最初は、そこそこの感動とともに、拍手をしていたのですが、4、5回目に幕が開いたあたりから、「こんなに客席に応えてくれるのか」という驚きとともに、座っていられなくなり、スタンディングオベーション。
会場の他のお客さんも同じ思いだったようで、最初は立っている人が数えられそうなほどだったのに、最後には全員総立ち、舞台前に人が押し寄せ、ひしめき合っていました。
美しい舞台より、その場で何度も自分に答えてくれる、ということが、どれほど人を感動させるのか、実感しました。
2時間40分の舞台のうち、カーテンコールはたぶん8~10分の1。
そのたった数十分で、確実に感動は数倍になりました。
これほど、人に応えられる自信はありませんが、この感動を忘れずに、僭越ですが見習わせていただきたいと思いました。