【子ども達は、愛情を食べています】
昨日は、末っ子の保育園での給食参観。
この日の給食は、
子ども達のリクエストで、
五分づき無農薬米のドライカレー、
出汁の効いたシメジのかきたま汁、
魚肉ソーセージのフライ、
ゴボウサラダ、
小松菜とカブのお浸し。
ここの保育園の給食は、
ほんとうにおいしい。
子ども達も次々お替りして、
小さい子も完食。
お残しする子は一人もいない。
かきたま汁を飲んだ時、
この出汁の味を、
ず~っと、この子たちは味わってきたんだな~
って思ったら、とっても嬉しくなりました。
普段も、
盛り付ける量も、
食べきれるくらいだけ盛り付けてるってこともあるけど、
小さな子でも、お残しする子はほとんどないそうです。
料理の一つ一つに、
子ども達への愛情すら感じました。
この子たちに、
おいしいものを食べてもらいたい。
いいものを、たくさん食べて、
元気に育ってほしい。
そんな想いで作った料理の、
美味しいこと。
おなかも心もあったまる料理。
お野菜の取れる季節には、
園の畑で野菜を育て、
土に触れ、
子どもたちで草取りして、
収穫して、
畑で遊んで、
虫取りしたり。
そうやって育てられた子ども達は、
ほんとに幸せだな~と、
改めて思いました。
幼い子どもに必要なこと、
それは、
早いうちから文字を覚えさせたり、
習い事をさせたりっていうことよりも、
この、
くう、ねる、遊ぶ。
自分たちで育てた野菜を食べる。
土に触れ、
土に生きる生き物に触れ、
虫を観察し、
おいしく調理したものを味わう。
生きる源を体感する。
教えるのでなく、
五感を使って感じる。
そんな経験が、
幼い子には必要です。
うちの子たちも、
畑を借りて、
野菜を育て、
そうやって育ててきましたが、
子ども達は、好き嫌いがほとんどありません。
多少苦手なものはあるけど、
全く食べないってことはない。
基本、出されたものは食べます。
お残しもありません。
ご飯を気持ちいくらいよく食べてくれます。
お陰で、
風邪が流行る季節でも、
ほとんど風邪を引きません。
「一年に一回熱だした方が、
体のいらないものが解毒されるから、
熱だした方がいいんだよ」
って子ども達には話しているのですが、
子ども達、熱をほとんど出しません。
「たまには熱だしたいけど、熱でないんだよね~。
あ~、熱だして休みたい~!」
って、嘆いています。
ぜいたくな悩みです。
普段は寮生活の長男、
週末家に戻ると、
「うちの飯が一番うまい!」と言ってくれます。
これ、一番のほめ言葉。
あちこち、おいしいお店で外食もする息子だけど、
うちのご飯が一番おいしいって言ってもらえるのは、
本当にうれしいです。
食べるもので体はできています。
何を食べるかは、とても大事。
そして、もう一つ。
心の安定にも、
毎日の食事は関係しています。
お母さんが、
自分のために、
心をこめて作ってくれている、
そして、それを、家族でおいしいねって食べること。
それが、子どもの心の安心感を育みます。
温かい記憶を残していきます。
以前、お弁当の日の記事で書いたことがあるのですが、
ある、二組の一人親の家庭がありました。
どちらも、母親が女手一つで子どもを育てています。
Aさんの家庭は、男の子を育てています。
お母さんは、忙しく、ご飯を作る余裕がありません。
夜ご飯は、
コンビニで買った弁当をテーブルにあげてあります。
時には、お金だけおいてあることも。
Bさんの家庭では、女の子を育てています。
Aさんと同様に、ご飯を作る余裕はありません。
同じようにコンビニでお弁当を買ってきて晩御飯にします。
でも、Aさんは、レンジでチンして、お皿に移して、
温かいご飯を二人で食べます。
「買ったお弁当でごめんね」って言いながら。
こうして育った二つの家庭。
Aさんの息子、A君は、
中学にあがり、非行に走ります。
少年院に入り、
そこで話したことは、
「おれ、ご飯って、何のために食べてるかわからないんだ。
ただ腹が減るから食べる、それだけなんだ。」って。
食事から、
愛情というものを受け取ってこなかったA君。
一方、
Bさんの家庭のB子さん。
「うちのお母さん、すごいんだよ。
どんなに忙しくても、
ご飯温めてお皿に盛ってくれるんだよ!」
って、小学校の担任の先生に話していたそうです。
その子は、
お母さんは忙しくて大変そうだからと、
自分でご飯を作るようになります。
同じような状況の家庭なのに、
何が違うか?
そこには、
子どもへの愛情、想いがあったんですね。
忙しくっても、
ちゃんとお母さんの子どもに対する愛情は伝わってた。
もちろん、何を食べるかで、
健康な体を手に入れることはできます。
でも、たとえそれができなかったとしても、
食事に想いをかけてあげるだけでも、
心を育てることはできます。
本当は、どの家庭でも、出汁をとって、
丁寧に作ったご飯を
子ども達に食べてもらいたい。
でも、完璧を目指すと苦しくなります。
忙しくって、
たまには買ったお惣菜で済ませてもいいでしょう。
そんなときがあったっていいと思います。
でも、一緒に食卓を囲み、
今日あったことを話す時間を持ちましょう。
温かい食事を、
一緒に食べましょう。
子どもが食べているのは、
ただの栄養じゃなくって、
愛情を食べているのですから。