子ども達の遊びは探求の始まり | 子ども達と自然に暮らそ!

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十和田で耳つぼジュエリーのおうちサロンをする傍ら、
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自然食、自然療法などを取り入れながら、
子ども達との自然な暮らしを提案しています。

【どじょう一匹育つのにお茶椀46杯のご飯を】


さて、昨日は、遊びに来ていた子供たち、

船を作って流して遊んでいました。

木を切って、船を作って、

それぞれかっこよくしたり、

早く流れるようにと工夫してみたり。



できたら早速進水式。

用意ドンで流します。



みんなで船を追いかけます。

ゴールでは虫網で船を回収して、

再び上流へ。



そのうち、もっと上流から流そうということになって、

みんな上流へと向かいます。




船を追いかけながら、

一人の子がつぶやきます。

「俺の船、途中でこう回って、ひっくり返っちゃうんだよ。」

どうやら水の抵抗に気づいたようです。

抵抗が強いから遅いと気がついた彼、

明日、もっと早く流れる船を作るんだと意気込んでいます。


やってみて初めて気づくこともある。


早く流れる船にするためにどうすればいいか、

きっと彼の頭の中で

いろいろ考えているのだと思います。




そもそも、水路で船を作ろうと思ったきっかけは、

水路に魚やドジョウがいないか、

探しに行ってからです。

帰ってくるなリ、船つくる!って。




ここの水路にはドジョウがたくさんいます。


実は、ドジョウが一匹育つために、

お茶椀46杯分のご飯を皆さんが食べるくらいの

稲が育つ環境が必要なんです。


ピンときませんか?


お茶碗一杯分のお米は、

米粒にして約3000粒。

3000粒のお米が育つのに、

稲が2、3株必要です。

3株育つのに必要な田んぼの面積は0.15m²。

0.15m²の水田には、

オタマジャクシが35匹育ちます。

ミジンコは5093匹住んでいます。

アマガエル1匹育つには、ご飯67杯分の田んぼの環境が必要で、

先ほど述べた、

ドジョウ1匹育つのにはご飯46杯分の環境が必要なんですね。



そして、

そういう生き物の住みかとなる水田からは、

年200億m³の酸素が生み出されます。


お米がどうやって作られるか?

という学習も、小学校ではやりますが、

田んぼに住む生き物たちを知ることもまた、

必要なことだと思います。


私は小学校の理科のアシスタントティーチャーをしていますが、

五年生でメダカを飼育して、

微生物を観察します。

毎年、

ビオトープから水を汲んできて観察するんですが、

ビオトープに住む微生物は、多様です。
ミジンコ、ケンミジンコ、アオミドロ、ミカヅキモ、
ツヅミモ、アメーバ、
ワムシ、センチュウ・・・etc

田んぼから汲んだ水は、アオミドロが大半だけれども、
ミジンコもたくさん見られます。
でも、微生物の種類は
ビオトープほどではありません。


ビオトープの水の中の微生物は、

たくさんの種類が観察されます。

微生物がたくさんいるということは、

それだけいろんな種類の生物が生息できるということ。



ミクロの世界を見ることで、

そこの環境の多様性が見えてきます。



勉強として、

覚えなければならないものだとつまらないんだけど、

こうやって、

自分の目で見て、

触れた体験からは、

好奇心が芽生えてきます。



子どもの遊びには、

そういう無限の可能性が秘められています。



生き物に触れる、

自然の中で遊ぶ、

自分の体験を通して知る。


子ども時代にこういう経験はものすごくいい。


五年生のお子さんがいる方、

ぜひ、田んぼの生きものを観察してみてくださいね。

そして、

こんな話をしてみたらいいと思います。