長男ヨーロッパ放浪記② | 子ども達と自然に暮らそ!

子ども達と自然に暮らそ!

十和田で耳つぼジュエリーのおうちサロンをする傍ら、
子育てがラクに楽しくなるように、
自然食、自然療法などを取り入れながら、
子ども達との自然な暮らしを提案しています。

【人にも環境にも優しい街フライブルグ】

昨日に引き続き、

息子の写真から、足跡をたどりつつ、

今日もフライブルグをもう少し紹介します。


フライブルグは、

『循環型で持続可能な将来性のある自治体』

といわれています。

第二次世界大戦後、市街地の80%を失い、

街並みの再復興として、環境都市を作ることを選択しました。


その大きな政策として、

①公共交通機関の拡張

②自転車交通の推進

③カーシェアリング

④省エネルギー&自然エネルギーの推進

⑤緑化

⑥環境教育


があります。


①公共交通機関の拡張と市街地への車の乗り入れの規制


「パーク&ライド」というシステムがあり、

市外から来た人を市内に乗り入れさせず、

市外の駐車場に無料で停めさせ、

トラムなどの公共交通機関で行き来させるシステムです。

トラムの始発駅前に大きな駐車場があります。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、

写真の両脇に上がオレンジ色のポールが二本あるのが分かりますか?

これが、市街地への車の乗り入れゲートで、

ゲートの真ん中に、小さな円柱状の突起があり、

車の進入を阻みます。




専用のカードリーダーに、

専用のカードを入れることで、この突起が下に下がり、通行できるようになります。



簡単に乗り入れさせないことで、

車の乗り入れ規制をしているわけです。


②自転車交通の促進

街には自転車専用道路があるため、思いっきり走れます。




駐車場だったところも駐輪場に作り替えられたりして、

自転車のほうが便利です。

そして、市内の住宅街は30キロ規制や、

場所によっては5~7キロに規制しているところもあり、

断然自転車のほうが早いのです。、

子どもが遊ぶ道路では速度を緩めなさい、という標識があります。



大きな駐輪場


小さな子を乗せる、こんな自転車も。



③カーシェアリング

年間1万キロ程度しか走らない人であれば、

購入費、保険代、駐車場の料金を考えると、

カーシェアリングのほうが経済的になります。

フォルックスワーゲンやBMWでも、

1分20~29セント(20円から29円)程度と、気軽に借りれるシステムがあります。

個人の車を登録制でカーシェアリングする、というシステムもあるようです。


④省エネルギー&自然エネルギーの推進

コジェネレーションシステムという、

一つの燃料から、2つのエネルギーを生み出すという

システムがあります。

ごみの埋め立て地から出るメタンガスを燃やして、

発電と、地域への熱供給をまかなったり、

木質バイオマスシステムや、

水素に天然ガスを添加することで、

人工的にメタンガスを作り、

発電して余った電気で水を電気分解して

また水素を作ります。

こうして水から取り出せる水素は80%で、

残りの20%は、廃熱として、地域へ温水として回しています。






⑤緑化

ヴォーバンという地区は、市民との話し合いが何度も持たれて、

市民の合意のもとに作られた住宅地。



地区の隅に駐車場を設け、

各家庭にカーポートはありません。

そのおかげで、街の中では子ども達も安心して歩けます。

住宅地の中にはビオトープを兼ねた自然なままの小川が流れ、

住宅地が緑の帯でつながるように計画されています。




また、緑の里親制度もあり、地域の樹木を、住民が管理することで、

自治体のメンテナンスコストを削減します。

緑化のために、

家庭の庭木であっても、勝手に切ってはいけないそうです。

近くを通るトラムも、

騒音対策ということもあり、

レール周りに芝を敷き詰めることで、

音も静かです。



こんなツリーハウスや



公園には共同で使えるピザ釜も。



住宅地の間にはこんな緑化スペースも。



⑥環境教育

もう一つ重要なのが環境教育。

ごみの分別も、各家庭で有料のごみ箱を購入。

紙やプラスチックとその他のものと分別もしっかりしています。

生ごみは家庭で、コンポストなどで処理することを推進しています。

変わったシステムとしては、

赤ちゃんのおむつを布おむつにした証明書を発行してもらうと、

赤ちゃん一人当たり50ユーロ(6600円くらい)の助成金があるそうです。


赤ちゃんがいる家庭ではうれしいですよね!


そして、子ども達への自然教育を担うための

エコステーションがあります。



ドイツ環境自然保護連盟(BUND)が運営している施設です。

勇気菜園を備えた低エネルギーハウスで、果物や野菜、ハーブを育て、

それらについて学び、

池や土に住む生き物を観察できます。








子ども冒険農場での乗馬もあります。




こうして、子どもへの環境教育で、

これからの子ども達へ、大切なことを伝え、

街を上げて環境問題に取り組む、

そんな街づくり、

やろうと思えばできるじゃない!!


と、

息子の放浪記を書きながら、

再び熱い想いが沸き上がるのでした。


放浪記はまだまだ続きます。