【必要とされることの大切さ】
引き続き介護の話です。
脳梗塞発症後、6年間で
要介護5から要支援1へ。
どこが介護老人なの?
と、思うくらい、
普通になったおばあちゃん。
ところが、
今度は多発性骨髄腫という血液のがんを発症しました。
病気が分かったきっかけは、
腰の骨の圧迫骨折でした。
ある程度、自分のことは自分でできるし、
一人で散歩もできる。
ご飯は作れないけど、お弁当を用意していれば、一人で留守番もできる。
子どもは成長し、
末っ子も、上の子のようにあちこち自然の中に連れて歩きたい。
川遊びや、森でのキャンプ、
地域の祭りにも参加させたい。
子ども優先になると、
どうしても、おばあちゃんはお留守番になることが多い。
自然で子ども達を遊ばせるとき、
おばあちゃんを連れていったら、
おばあちゃんの面倒を見れないから。
子どもが走り回るスピードでついていくのに、
おばあちゃんのゆっくりペースで歩くのを待っていられないから。
面倒だから、おばあちゃんは置いていこう。
お出かけのたびに、そんな気持ちで、おばあちゃんを置いていきます。
下の子を、どっかに連れていくとき、
楽しみで仕方ない末っ子は、
「おばあちゃん、どこいくとおもう?キャンプにいくんだよ♪」
それをきいたおばあちゃん、
「いいな~、おばあちゃんはお留守番かい?」
と、さみしそうに答える。
「おばあちゃんは連れて行ってくれるん?」
「おばあちゃんは、おるすばんだよ」
そんな会話を聞いてると、ちょっと申し訳ない気もしながら、
いや、でも、連れていくのはムリムリ。
そう思っておばあちゃんをお留守番させる日々。
残されたおばあちゃんは、
やることもないので、
ただソファーに座って背中を丸め、
外をボーっと眺めるばかり。
そんなおばあちゃんは、あるときから、背中を痛がるようになっていました。
座ってばかりで、運動不足だと、運動させました。
運動させればさせるほど、だんだん背中を痛がるようになり、
ついには杖なくては歩けないほどの状態に。
そこで始めて、これは普通じゃないと、
病院に連れていくと、
骨粗鬆症による圧迫骨折と診断されました。
食事は気を使ってるつもりだけど、
骨粗鬆症って、年寄りは、もっときをつけなきゃならないのかな・・・・
そんなぐらいに思っていましたが、
数か月後、
血液検査の診断で、血液のがんの疑いがあると、
緊急入院することに。
結局、血液のがんのせいで骨が作られなくって、
骨粗鬆症になっていて、
圧迫骨折したのだと言うことがわかりました。
当時、末っ子はまだ4歳だけど保育園に行ってなくって、
私は午前中、週3日ほど仕事を始めていたので、
仕事の時はおばあちゃんと息子と、お留守番してもらっていました。
おばあちゃんが入院するとなると、
保育園に預けなきゃならない。
末っ子を急きょ保育園に預けたが、
突然心の準備もないままに預けられた息子は、
当然毎朝行きたくないと大泣き!
入院したことで、毎日時間を見つけてお見舞いに行き、
手や耳のマッサージをして帰る。
十和田の病院で一週間。
八戸の病院に転院して一週間。
地元の病院の時はまだ良かった。
八戸の病院となると、
通うのに往復2時間。
毎日は行けない。
離れた病院に家族が入院することの大変さを実感。
そして、旦那と話し合いました。
多発性骨髄腫は、年齢が言ってる人の場合は、
抗ガン剤治療しか方法はなく、
それでも完治するものではないこと。
治療したとしても、余命が何年か延びる程度のものであるということ。
病院に入院したことで、
もう二度と帰れないと思ったおばあちゃん。
家を出るとき、
「それでは皆さん、お世話になりました」
と言ったおばあちゃん。
入院すると、みるみる歩けなくなっていきました。
病院にいるってだけで、こんなに気持ちが落ちこむものだということ、
でも、お見舞いに行って、手や耳のマッサージをすると、
とても喜んだおばあちゃん。
そういえば、
最近、家にいるとき手に触れてなかったな・・・。
触れるって、大事なんだ・・・
いろんな事に気付かされました。
だったら、病院で治らない治療して、
1人でさみしく苦しむより、
家で、家族と幸せに暮らしてた方がいいんじゃないか?
笑って楽しく過ごす方が、おばあちゃんにとっていいんじゃないか?
そして、私達が選択したのは、緩和ケア。
積極的な治療はしないけれど、
痛みがあれば、痛み止め、
というような、対処療法で最後を迎えるというもの。
実質、何もしないという選択。
でも、短い入院生活を終え、
うちに帰ってきたおばあちゃん。
私も、出来る限りのことはしました。
足湯したり、
背中をマッサージしたり、
耳もんだり、
肝臓や腎臓を温めるケアをしてみたり、
マルンガイというものを食べさせたり、
ホメオパシー使ったり、
アロマ使ったり。
そのせいか、
家族が再び優しくなったことからか、
おばあちゃんにも笑顔が戻りました。
がんの発見から半年。
今のところ、痛みもなく、
かえって歩けるようになり、
今までと変わらない生活をしています。
末っ子に連れられて外に虫取りに行ったりしています。
病気の状態はどうなのか、
積極的な治療をしないという選択をしたせいで、
血を調べたりすることは出来ません。
わかるのは、体温を測ることだけ。
体温も、36.7度くらいと、そんなに低くなく、
むしろ高いくらい。
状態としては悪くないんだと思っています。
それにしても、今回のおばあちゃんのがんによって
わかったことは、
人は、いい物いくら食べてても、
健康にいくら気を遣っていても、
心の持ちようで病気になってしまうと言うこと。
人に必要とされてる、
自分はここに居ても良いんだという実感がなければ、
心の健康が保てないのだということ。
いくら一緒に暮らしてても、
心をかけるか、かけないかで、
全然違うのだと言うこと。
おばあちゃんだけじゃなく、
これは、誰にでも言えることだよな~って思いました。
家族に、ちょっとした心配り。
心がけていこうと思います。