15年前のことだから、もう書いてもいいかな | 肩書職人のひとりごと

肩書職人のひとりごと

個人事業主やフリーランスとして
人の役に立ちながらも
自分らしく生きていきたい人に向けて
仕事やビジネス、人生観など、
肩書職人から見た話を綴っています。

 

 

会社勤めの雇われ店長時代の話。

 

前任の店長から店を引き継いでしばらく経った頃
売上が思うように伸びなくて
前年売上を超えられない時期が続いていた。

15年前とはいえ自分の力不足を露呈するので
恥をさらすのもどうかと思うけど
実は結構大事なことだから、初めて記録しとく。

まともに包丁を握ったことのない僕が
飲食店に勤めるようになり
平社員→主任(副店長みたいなもの)を経験した後
2年後、3年目に入る頃だったかな?

 

二度目のチャレンジで、店長試験に合格。

会社の教育システムも良かったので
現場での苦労はあったけど人生で初めて
「長」がつく役職に就いた。

会社員とはいえ店長として
お店の舵取りをしなくてはならない重圧と
20人近くいたスタッフの管理に加え
毎日の営業や店の評判を落とさないための運営。

誰しも最初はそんなもんかもしれないとはいえ
それまで自分が思っていたより
予想以上のプレッシャーだった。

しかも、前任の店長は、
会社で年間最優秀店長に選ばれるような人。

そういう人が任されてたお店。

前年比を超えることを目標にしつつも
前向き、前衛的というより
まずは売上・利益の維持をしなければいけない。

何も迷うこともなく、そう考えた。

スタッフさんとは店長になる前から
コミュニケーションをとっていたとはいえ
店長になった後は、どうしても比べられてしまう。

中には最初は譲歩的・協力的だった人も

段々、日が経つに連れ
「前の店長の時は~」という言葉が増えてくる。

もういない人
しかも最優秀店長を取るような人と比べられても
正直勝てる要素は、ほぼほぼない。

勝ち負けの話でもないんだけどね。

前店長は実績を残してきた人だし

スタッフからの人望も厚かった。

そこにブーストかけるように
人間は思い出を美化するという心理がある。

僕がまだ店長になる前
そのスタッフさんらと前店長が
しょっちゅうケンカしてたのも直に見てきた。

前店長が譲れないところはブレずに主張して
それ以外はお互いに譲歩する
という流れがいつもお決まりの感じになっていて
なんだかんだ最後は落としどころを見つけていた。

僕もスタッフさん(特にベテランさん)も
お互いの言い分があるというのは
変わらないにしても、その背景に、
前の店長は~がある限り、建設的な話にならない。

守った方がいいこともあれば

変えた方がいいこともある。

最優秀店長のいた店だからといって
その店の長が変わっているのに
同じように出来るとは限らない。

前店長だから出来ていたこともあれば

出来ていなかったこともある。

 

僕だから出来ることもあれば
僕には出来ないことだってたくさんある。

そんなこんなもあってか雰囲気は伝播するもので
店内の雰囲気やスタッフの連携に亀裂が入り
商品のクオリティも微妙にずれてくる。

 

とばっちりを受けるスタッフは居心地悪くなり

全体的に仕事も雑になる。

お客様は気配に敏感なので
ピリついた感じは、静かに、でも確実に伝わる。

売上、サービス、クオリティ

全てが少しづつ下降し始め
前年の売り上げを超えられない日が増えてくる。

手をこまねいてもいられないので

やることやらなきゃと思い、現実と向き合う。

 

日次清算の数字と2~3ヶ月のデータを見れば
この先2~3カ月の予測は立つもので
そういうのを考えながら
次月の売り上げ計画を立てる。

僕はそこまでノー天気ではないので
達成できない目標は立てたくない性格。

現状のデータと予測を基に
目標売上を毎月修正していくわけだけど
前年度が高ければ、越えるのも難しくなる。

何年も店長をやっていた百戦錬磨の最優秀店長と
店長成り立てほやほやの新米店長。

言い訳するのもなんだが
普通に考えれば超えられる(勝てる)見込みがない。

もちろん、考えるし、頑張るし、
やれることはやるけれど
そこまで、自分を過信してないし、
起きてる現実に目を背けても仕方がない。

だから、前年の売上額より、
現実的な額で会議で報告、会社に提出した。

立場があるから仕方がないとはいえ
会議では複数の上司から詰められた。

目標を下げてどうする!
昨年を超える数字を出せ!
立てた目標に向けて全力を尽くすのが店長の仕事だろう!

投げられる言葉は、ごもっともなものばかり。

いわゆる正論。

出来るならそうしたかったけれど
現場を預かる身としては
当時の自分にそんな力も余裕もなく
販促は会社主導だから、打つ手も限られていた。

ちなみに
僕自身の店長としての力量不足とは別に
売上を下げるに至った重大な内的要因

僕的にとっては外的要因がある。

上が何を考えたのか、お店の人気メニューを、
定番メニューから下げられたのだ。

看板メニューとは別に
それと売上を二分する人気メニューがあったのだが
メニューから完全に下げると言い放った。

会議で僕に詰め寄っていた直属の上司も

これにはさすがに反対で
一緒に過去から現在のデータをまとめ
どれくらい売り上げを支えているメニューなのか
数字やお客様の声を基に見える化して
必死に食い下がったのだが
直談判した提出した資料をパラパラ見るも
「もう決めたから」

と社長の鶴の一声で取り下げが決まった。

僕の心配をよそに衝撃の追撃。

 

立て続けに言われた言葉。


「新しいメニューを食べてもらえばいいだろ」と。

その瞬間「あ、終わったな」と思った。

常連さんを大事に出来ないお店は、ほどなく終わる。

常連のお客様の反応も予測していた通り。

「あのメニュー、無くなっちゃったの?」
「あれがあったから来てたのに」
「サービス悪くなったよね笑」←あきれた雰囲気で
「いつ復活するんですか?」←下げたばかりで復活予定なし

最初は問い合わせの対応だけで済んでいたが
そのうち、熱烈?な常連さんから
「上に掛け合ってよ」とか
「戻さないならもう来ないよ」とか。


あるお客様は相当腹が立ったのか
「どこに隠したんだよ!」
「裏メニューで出せよ!」など
僕が思う以上に熱心なファンがいるメニューだったことが
こういう現場の声で、後からわかった。

材料は店にあるもので出せるメニュー。
でも、会社の意向があるから、

出したいけど勝手に出せない。

そのメニューを目当てに来ていた多くのお客様は
諦めた人から徐々に来なくなった。

まぁ、あたりまえよね。

他のメニューに乗り換えてくれた人は多少いるけど
やはり「それがあるから食べに来ていたお客様」は
ある意味メニューとしては浮気せず
お店を変えて他に行かれたのが、想像に難くない。

見慣れた顔が来なくなるというのはそういうこと。

他にも重要なマイナス事案があり

ここに挙げた以上のこともあるが

こういったいくつものことで拍車がかかり
売上の維持が厳しくなっていた。

そういう背景があっての目標売上の下方修正だった。

僕がそれらを伝えても

「会社のせいにするな!」
「やることやってるのか!」
「向上心が足りない!」
「他の店を参考にしろ!」
出来ていないこと、不足点ばかりをフォーカスされ、
こちらの提案や現場の現状については
努力不足を指摘されるだけ。

 

売上を揺るがす重要なことは会社が決めるのに

大事なことを骨抜きにされ、

期待してくるお客様を裏切って、いったいどうしろと?

今思えば、そんなに責められるのなら、
店長降格にしてくれてもよかったんじゃないかと思うが
今言っても、過ぎたことなので意味がない。

最初は会社が望む売り上げ目標を上げていたが
現状では超えられない数字を前に
机上の空論の数字を提出し続けるのは
正直、心が苦しかった。

なんせ、数字を報告している本人が、
この数字は今のままでは無理だと
そう判断していたのだから。

ドラマのような逆転劇はそうそうあるものではないし
自分の力を過信するほど特別な力もない。

どこにでもいそうな普通の店長である自分が
ドラマチックなⅤ字回復を起こせる可能性は極めて少ない。

卑下するわけではなく、現実を見てるだけ。

出来る可能性を信じないのか?という話でもない。

冷たく聞こえるかもしれないが
地に足着かない夢は、夢想でしかないないのだ。

現状を冷静に見据えたうえで
それを打開できる知恵と発想があれば
状況は違ったかもしれないけど
少なくとも当時の僕には
そんなアニメの主人公のような力も
それを考える余裕すらもなかった。

だから、事実に基づいた数字を出しただけ。

机上の空論である目標数字を出したくない僕と
それでも前年比を上回る数字を出させたい会社側。

ラチの開かない議論とも言えない議論に
会議の時間だけ淡々と過ぎていく。

そんな硬直した時間の中で、別の上司が切り出した。

「いいんじゃないですか、それで」

僕の提出数値に助け船を出してくれたのだ。

とはいえ、内容に納得したというよりは、
現状を理解し、空気を読んでくれたという方が正しい。

「達成する気がない数字だけ報告してもしかたないでしょう」

そう、議事進行側の上司たちに進言してくれた。

言葉はまぁ、あれだが、僕の意図を組んでくれた。

達成が難しいとわかっている数字をあげて
来月達成できていなければまた
何で達成できないんだと詰め寄る。

で、同じやり取りを毎月繰り返させられる。

正直、一回だけではない会議でのこのやり取りに
個人的にはほとほと疲れていたから
バカ正直に現実的な数値を出したのだ。

この時の教訓が、僕の中には強く残っている。

達成する気のない目標は、正直、意味がない。

これは言葉を変えると

叶えようと思っていない夢は、あまり意味がない。

そういうことになる。

現実逃避で語りたいだけなら、意味はあるのかな。

楽しい時間を過ごすという意味ではね。

ただ、昨日より今日、今日より明日。

一年後に今よりやりたいことが出来るようになっている。

そう願うのなら、やりたいことを語ると同時に
そのための計画が必要だということ。

大それた計画じゃなくてもいい。

1年で考えれば、12ヶ月ある。

毎月1段、12個の階段を昇れば辿り着ける。

週単位で考えれば、1ヶ月は少なくとも4週ある。

毎週1段、4週の階段を昇れば辿り着ける。

日別で考えればもっと細かくなり
階段ではなくスロープのようになるが
毎日というのは、ちょっとしんどいとこもある。

だから、毎月、毎週くらいで考えるのが現実的。

無理と思っている目標ではなく
これなら出来んじゃね?くらいの目標を立てて
達成する気満々の目標を組み上げる。

叶える前提で夢を見る。

見るというか、夢を持つ、夢に挑戦する。

どんな経験が心を支えるかわからない。

過去のそんな経験があるから、
今そう思える自分がいて、そう動ける自分がいる。

見る人によって賛否両論
厳しい意見もあるだろうけど、外野の話はどうでもいい。

言いたいことは

 

叶えたいことがあるなら
叶えること前提で動こうよ

 

ってこと。

 



人の目を気にした、上辺の目標出してないですか?

自分にウソは付けないよ。

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