かれこれ10年ぶりにお会いしたお檀家さん
70代後半の男性
第一声が
奥さん、ひとっつも変わらへんな。
えっ? えっ?
どういうことですか、◯◯さん
見た目のことやで。
ご住職も変わらんな。
2人とも 若いわ。
あぁ 良かった
褒め言葉やってんね。
その方は 癌で20キロ痩せておられ
最初 誰か わからへんくらいになってはった…
来週から また抗がん剤やから
色々と用事 済ませとこうと思ってな。
こういう話の時
どう言ってあげたらいいのか わからへんの。
あんたら夫婦を見てたら
元気もらえるわ!
どんな時も いつもニコニコ笑っといてな。
ありがとう、◯◯さん
そんな風に言っていただいたら 嬉しいわ。
奥さんも 今まで大変やったと思うわ。
でも よ~辛抱してきたな。
若さん(ラブ息子のこと)跡継ぐまで
もうひと踏ん張り 頑張りや。
奥さん、今 ええ顔してるわ。
うちのお寺には 終活に来られた。
他にも
色々と用を済ませる毎日を過ごされてる。
以前は こんなに話すタイプの人じゃなかってん。
もしかして
もう会えへんかも… って頭をよぎったけど…
その夜 旦那との会話
ああいう時 どう言ってあげたらいいか
わからへんねん。
普段と同じでいい。
人は いつか死ぬんやから
特別なことじゃないねん。
でもな
年齢によって そんな風に割りきれへんわ。
自分の子供が小さかったら
私やったら その子を残して死にたくないもん…
誰だって 何歳でも 死にたくないやろ。
人間も モノの1つ
そこに魂が入ってるだけやから。
でも そう割り切れへんねんけどな。
大事にしやんとアカンな、今ある時間を。




