内田樹『疲れ過ぎて眠れぬ夜のために』 | 流れに任せて雑然と

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5~6年ぶりの再読。


この本、タイトルが秀逸なんですよね。


『疲れ過ぎて眠れぬ夜のために』


こういう感じ、あるんだよなぁ。特に最近に。


体も頭も疲れているはずなのに、布団の中で考え事をしてしまって、あまり眠れないっていうこと。


考え事というか、心配事なのかもしれない。いろいろと考えを重ね、掘り下げていくうちに、妙に脳が動いてしまって、睡眠モードに入れないのだろうか。


僕の場合、そこで考えるのは大半が仕事。ああでもない、こうでもないと、頭の中で様々な思いが駆け巡る。


内田さんは、そうやっていろいろと考え込んでしまうのは、「今よりも上、今よりも前、今よりも良く」という欲望があるからだという。


だから、そんな欲望はなるべく捨てて、「今ではないどこか」を追い求めるのではなく、「今ここにあること」を大事にして、幸せだと思おうということ。


無理するな、我慢するな、力を入れるな、というようなことを、いろいろな角度から書いている。


僕も、「今ではないどこか」を追い求めているのだろうか・・・


ピタリと一致した感覚はないにせよ、やはり欲があるのかなぁとは思う。


仕事においては、もっとこうしたい、という気持ちがある。今よりももっと、というのは欲かもしれない。


ただ、会社から、周囲から「良くする」ことへの期待がある以上、やらなければならない。


それすなわち、「期待に応えたい」という欲なのか・・・僕は責任だと思っていたけど、期待に応えることで評価されたいという欲があるのかもしれない。


欲があるから、疲れるのか。少し考えや視点を変えてみると、考え過ぎる夜も減るのかな。



そう言えば、人事に寄せられる社員の不満を少し距離をおいて見てみると、だいたい「今ではないどこか」をベースに語られることが多い気がする。


しかもそれは、今とこの先ではなく、「自分と誰か」を比較して展開される不満だ。


そういうものを聞かされていると、「人は欲深いなぁ。今がそれなりに幸せって考えないものかなぁ。」と思うことがある。


・・・うん、これでしょうね。


自分も含めて、人は大いに欲深い。だから疲れる。それなら、自分の今に満足してみれば良い。


きっと難しいことだろうけど、頭の中で考え事が駆け巡るとき、ちょっと立ち止まってみようと思う。


疲れすぎたときはそうやって、うまく睡眠モードに入るようにしよう。


いずれまた、そんな感覚を忘れて「疲れ過ぎて眠れぬ夜」が増えてきたら、本書を読み返します。


・・・すぐ来そうだなと思ってしまう、己の未熟さよ。。


疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)/内田 樹
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