磯田道史 『龍馬史』 | 流れに任せて雑然と

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大学時代、文学部で日本史を専攻した。


「社会に出て役立つの?」みたいなことを、他学部の人にはよく言われた。


「歴史が好きなんで・・・」と、言葉を濁して答えていた気がする。


でも、少なくとも今の僕には役立っている。というか、日本史を専攻して良かったと思っている。



その理由は、大きく言えば2つ。


1つ目は、「物事を論理的に考えるためのベースができた」ということ。


歴史学って、史料に真摯に向き合い、読み解いて行くことの積み重ね。いろんな史料や先行研究をよくよく検証して、そこから自身の結論を導き出していくという学問である。


「史料の検証」とは、その史料はどういう時代にどういう立場の人が書いているか、どのような意図で書かれているか・・・そういうことをできる限り冷静に捉える作業です。


同じ事象について書いていても、立場が違えば捉え方が全然違うことがある。


それは当たり前のことだけど、意外と普段は意識から抜けてしまう・・・そんなことを自覚していられるのは、歴史学を学んだ成果の1つだと思っている。



2つ目は、「生涯の趣味・関心ごとができた」ということ。


まあ、昔から歴史好きだったから、日本史を専攻したんだけど、それが更に深みを増したというか。


以前は、学問的なアプローチではなく、物語というかエピソードを知って楽しむのみだった。それがもっともっと広がって、もっともっと知りたいと思うようになった。


今でも歴史関係の本やテレビ番組は大いに気になる。楽しいのです。



本書の筆者・磯田道史さんは、堺雅人さんの主演で映画にもなった『武士の家計簿』の筆者としても有名な歴史学者。


NHK-BSプレミアムの『BS歴史館』という番組に出演されている印象がある。ソフトな語り口で、とても分かりやすく解説してくれる方だ。


この方、歴史がとてもとても好きなんだろうなぁと思っていたが・・・本書を読んで確信!


ほんと、史料と向き合うのが大好きな人だ。


坂本龍馬という人物は、小説やドラマで作り上げられた強いイメージがある。


磯田さんは、龍馬にまつわる史料を今一度しっかりと読んで、学問的なアプローチで、この人物を捉えなおそうと試みている。


龍馬は武力倒幕を避けたいと思いながらも、現実的には仕方ないと考え、準備をしていた。いわば、リアリストだったことを指摘。


また、龍馬暗殺は、「薩摩」「土佐」などの様々な黒幕説があるが、それは違うと冷静に切っている。


龍馬の功績で、実はもっと評価されるべきは「海軍に目をつけたこと」という考察もあって。


きちんとした史料解釈をもとに論を展開するので、かなり説得力があった。



良い本だったなぁと思って、磯田さんのプロフィールを改めて調べてみたら・・・発見!


あの~、、、ワタクシの先輩ですね。。


大学・学部・専攻の先輩。年齢が5つ上なので、僕が学部で学んでいた頃に、大学院にいらっしゃったことになる。


どこかでニアミスしていたかも・・・いや、きっとしていただろう!


磯田さんの史料に向き合う姿勢は、僕が教わったことと同じなのかな。まあ、一緒にするのはおこがましいですけど。


他の著書も読んでみよう。急に親近感が・・・



(写真)


神奈川の横須賀スタジアムで写した高校野球の風景。


本文とはほとんど関係ない。ただ、ペリーが来航した神奈川の港。今も軍港がある横須賀。それだけ。


昨日、「毎日更新にチャレンジしている」と書いたが、「何でも良いから写真を載せる」ことも自分に課している。


だから時に意味ない写真も載せてみる・・・青空と緑の芝、高校野球と揃えば、爽やかな感じがしませんでしょうか・・・



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