80年代後半~90年代前半にかけて、時代を席巻したバンドブームの只中にいた、大槻ケンヂさんの自伝的小説。
青春を振り返った話です。
自称「ボンクラ大学生」で、日がなキャンパス内のベンチでボーっと空を見上げていた大槻さんが、バブル景気のように、一気に売れてスターダムを駆け上がった。
でも、その当時から「いつまでも続かないよね」と、ブームの最中にいた彼ら同士で言っていて、その終わりは予想を上回るスピードで、嘘のように突然やってきて・・・
いろんなバンド仲間の思い出(Xとかブルーハーツとか奥田民生とか)や、「コマコ」という彼女との恋愛物語も合わせて、切なく語っています。
(「コマコ」の話はけっこう泣けますね。。)
青春時代を10代後半~20代前半の時期とするならば、その頃は「今がきっと青春時代なんだ」という意識があったと思う。
意識はあって、だからこそ「どうにかしなければ!」という思いはある・・・けれど、どうやれば良いのかって、そんなのは誰も分からないのです。
大槻さんは、「表現したい何かがあったというより、表現すること自体が目的だった」という。
「何ものかになりたい」という、漠然としていて、中身は薄くて、一皮むけば何ほどのこともないような思い・・そんな「大したことなさ」をも自覚しながら、流れに乗っかる日々だったのかもしれない。
「バンドブームの終焉とその後」という捉え方で言えば、哀しさや虚しさの物語でもあるけれど、決して後悔していないことは伝わってきた。
本書の中で、「周りは自分だけを取り残してどんどん変わっていく。」というような一節があって、そこが印象深い。
大学生の頃、僕にもそんな感覚があったと思う。
何となく「大学生活」に乗り切れなかった自分・・・周りが乗っているように見えて、自分は何でうまいことできないんだろうと感じたものだ。
多分、それは取り越し苦労という奴で、別にみんながうまく行っていたわけじゃないだろう。そもそも、「あるべき大学生活」なんて、存在しないのだから。。
隣りの芝生は常に青く見えるという、そんな感じ。他の人は、僕のことを「変わっていく周り」として見ていたかもしれない。
今なら、多少は客観的な視点も持てるし、同じ状況でも同じ悩みは抱えないだろう。だが、当時の僕は、そんなところでオタオタしてしまっていた。
「何が怖かったんだろう?」と思うけど、それが年代特有の感覚で、「青春」そのものなのかもしれない。
バンドブームをリアルタイムで知っている者として、その頃を懐かしむとともに、自分の若き青き時代にも思いを馳せ、何とも言えぬムズガユい感じを味わえる一冊です。
いやー、振り返るとただただムズガユいですわ。これじゃあ表現者にはなれんかな・・・
(写真)
猛暑日が連続していて、疲れがたまりそうだなぁと自覚し、朝から「リポビタンD」を注入する。
青春時代にはエネルギーはあれど使い方が分からず・・・でも今は、使い方は分かれどエネルギーが足りないことがある。
時に注入せんといかん。まあ、ドリンク剤に頼りまくることないように、食欲・睡眠といった生活の基本を乱さないようにしたいと思います。
大学生の頃、夜を通して遊んでいた日々が確かにあったなぁ・・・
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