説明資料 (予算フレームの透明性の向上について) 

 

財務省主計局

 

・我が国の経済社会の現状に鑑みれば、今後、経済の再生と財政健全化の両立はますます重い課題となるこ とは必至である。このため、経済や財政の現状と改革の必要性について、国民及び広く国の内外の理解を得るための努力をこれまで以上に続けていく必要がある。

 

・我が国はこれまでも、アジア通貨危機とそれに続く金融機関の破綻リーマンショック、また、東日本大震災など、数々の危機を乗り越えてきたが、今回のコロナ禍を克服し、その後の経済社会の変化に対応する ためにも、生産性の向上や働き方の改革、イノベーションの創出など、新たな成長モデルを構築するための大胆な取組が不可欠であり、あわせて、歳出と歳入の両面からの不断の取組が必要である。
 

・その際、国の債務残高が1,000兆円に近づきつつある中、債務の持続可能性の問題については、これまで以上に真剣に考える必要があり、経済再生と財政健全化の両立という大きな基本方針を堅持しつつ、 国の予算の姿について、基礎的財政収支の黒字化と債務残高対GDP比の安定的な引下げ(注1)という財政健全化に向けた目標の達成状況がより分かりやすく示されることが求められている。 

(注1)名目金利が名目成長率等しくなるという条件の下では、基礎的財政収支が黒字化すれば、債務残高対GDP比が減少していくこととなる。
 

・特に、これまで、毎年度の一般会計予算を示す予算フレームにおいては、財政法が掲げる非募債主義・建 設公債の原則(注2)に則り、歳出と税収等の差額である新規公債発行額(公債金)が示され、また、その 内訳としての建設公債と特例(赤字)公債の額が示されてきた。ただ、現実の近年の財政状況は、財政法が 本来予定する財政の姿とは大きく乖離しており、特例公債の発行が常態化し、債務残高が毎年度累増する 中で多額の借換債が発行される状況となっている。 

(注2)国の歳出は原則として租税等で賄うこととしつつ、公共事業費等については公債発行等ができることとする考え方。

 

・こうした中で、改めて新規公債発行額の内訳を見てみると、①政策的赤字分、②利払費に相当する額、 ③債務償還費に相当する額に分けることができる(注3)。このうち、③の債務償還費に相当する額の分は、①や②と同様に新たな債務を増加させるものであるが、債務償還費が過去の債務を減少させるものである ことから、債務残高の増減には影響を与えない。一方、①政策的赤字分と②利払費に相当する額の分の合計 額は、一般会計における財政収支赤字であり、補正予算等による増減を除けば、この分だけ債務残高が増加 することになる。また、政策的赤字分は一般会計における基礎的財政収支赤字であり、現在の政府の財政健 全化目標の指標である国・地方の基礎的財政収支と整合的な概念である。 

(注3)基礎的財政収支や財政収支の観点から公債金を分類したものであって、公債金による収入が直ちに利払費や債務償還費に充当されることを意味するものではないことには留意する必要がある。 

 

・このため、予算フレームにおいては、財政の現状及び基礎的財政収支の黒字化という当面の目標と整合 的な形で予算の姿を示すこととし、具体的には、歳出や税収、新規公債発行額といった情報に加え、一般会計における基礎的財政収支や財政収支の姿を示すことが望ましいのではないかと考えられる。

 

・さらに、こうしたフローの情報に加え、債務残高やそのGDPに対する比率といったストックに関する情報、および借換債を含めた公債発行や債務の資金繰りに関する全体像をあわせて示し、一般会計における基礎的財政収支と債務残高対GDP比の動向を分かりやすく示すことが有用と考えられる。
 

・もちろん、財政の現状がどのようなものであっても、現世代が負うべき負担を将来世代に先送りすべきでないことに変わりはなく、現政権においては、経済の再生及び歳出・歳入両面からの取組を行い、これまで新規国債発行額を縮減させてきた。また、かつては財政法と整合的な形で「特例公債脱却」を目標として 掲げ、その達成に向けて努力してきたという過去の歴史を踏まえても、財政法に掲げられた健全財政の姿は、目指すべき将来像として今後とも堅持すべきと考えられる。
 

・こうした考え方にたち、令和 3 年度予算以降の一般会計フレームについて、別紙の試案のような示し方を することについて、検討を進めたい。
 

財務省ホームページより抜粋
 
 主計局長・・・太田 充(昭和58年)

 

次長・・・阪田 渉(昭和63年)

同・・・角田 隆(昭和63年)

同・・・宇波 弘貴(平成元年)

 

総務課長・・・阿久澤 孝(平成3年)

法規課長・・・前田 努(平成4年)

調査課長・・・森田 稔(平成5年)

司計課長・・・日室 裕二※ノンキャリア

 

主計官

総務課主計官・・・寺岡 光博(平成3年)

内閣・復興・外務・経済協力・・・佐藤 大(平成8年)

司法・警察・経済・環境・・・渡邉 和紀(平成7年)

総務・地方行政・財務・・・吉沢 浩二郎(平成6年)

文部科学・・・関口 祐司(平成6年)

厚労第一・・・八幡 道典(平成6年)

厚労第二・・・一松 洵(平成7年)

農林水産・・・中澤 正彦(平成5年)

国土・公共事業・・・中島 朗洋(平成5年)

防衛・・・岩佐 理(平成6年)

 

こんな経済状況の中でも「財政健全化」の文字を外さない財務省主計局の精神には、

もはや宗教的な何かを感じてしまいます。

 

主計局のお偉い方、今、国民が求めているのは「財政健全化」ではないと思いますよ。

 

もうちょっと国民の声に耳を傾けてみたらどうですか?