通常国会終盤で苦境に立たされた金融庁。

衆参ダブル選挙をめぐり永田町がピリピリしている最中に

「老後資金2000万円」問題で集中砲火を浴びた。

特に与党の怒りはすさまじく、次期長官の有力候補だった

三井秀範企画市場局長(58年大蔵省入省)の経歴は深く傷ついた。

危機感を抱いているのは、同庁の遠藤俊英長官(57年)だけではない。

将来の消費税引き上げを目論んで

財務省が後ろで年金危機を煽っているのでは」(自民党若手)と

勘ぐられた岡本薫明財務事務次官(58年)も渋い表情だ。

岡本氏は金融庁を経験した数少ない財務省幹部であり、

森信親前長官(55年)や遠藤長官の相談相手になってきた。

「財政と金融は深く結び付いている

金融庁とは二人三脚で進みたい」が持論だが、

さすがに表立って金融庁をかばうわけにもいかない。

 

加えて心配されているのは、参院選の内閣改造で

麻生太郎財務相が金融相の兼務を解かれ、専任の閣僚が置かれることだ。

 

金融庁が財務省とは別に職員の採用を始めて15年余り。

同庁では財務省の仕事を知らない企画官や課長補佐が増えている。

「一体に近い運営ができているのは大臣が同じだから。

兼任方式を崩してほしくない」(局長級幹部)という。

 

~中略~

2度にわたって延期された消費税10%

10月実現することを踏まえた

財務省の幹部人事が早々に決まった。

岡本事務次官と太田充主計局長留任し、

財務官には武内良樹氏が国際局長から昇格。

さらに国税庁長官は星野次彦氏が主税局長から持ち上がりと、

同期4人がトップに並ぶ異例の構造ができあがった。

 

岡本氏は、「大物次官」と言われた勝栄二郎氏(50年)以来の

2年次官となるが、入省時の振り出しは理財局で、

官房文書課主計局総務課が定番である新人エリートの登竜門からは外れていた

岡本氏が頭角をあらわしたのは氏が強く引き

秘書課長に就いた10年前からだった。

政治家と丁々発止の折衝をやるタイプではなく、

守りのトップとして「財務省冬の時代には適任」(財務省OB)と言われる。

 

4年にわたって財務官を務めた浅川雅嗣氏(56年)にかわる武内氏は

主計局や主税局の経験もあり、田中一穂元事務次官(54年)も可愛がった

オールラウンドプレーヤーだ。

麻生財務相との個人的関係を軸にした浅川氏とは異なり、

組織人としての財務官僚を見せてくれるだろう。

 

新体制では、官邸との関係が良好太田氏が引き続きキーパーソンになる。

消費税増税実現しても、には新たな経済対策が確実視されているうえ、

社会保障制度改革参院選に本番を迎える。

 

太田氏の下にいる宇波弘貴主計局次長(平成元年)、

寺岡光博企画担当主計官(平成3年)ら、平成入省組をまとめて難問に対処することになる。

来年は東京五輪後に予想される景気後退

再来年は安倍晋三首相の自民党総裁任期切れと政治・財政の正念場。

太田氏は主計局長次の次官としての舵取りが注目される。

 

 

文藝春秋の霞が関コンフィデンシャルより抜粋

 

 

増税原理主義者ではない岡本薫明事務次官。

 

増税よりも増え続ける福祉削減の方が

大事だとわかっている岡本薫明事務次官。

 

 

小泉内閣時、金融庁に出向し、竹中平蔵金融担当相の下で

不良債権問題の対応をした岡本薫明事務次官。

 

本当に、増税をするのですか?

 

あなたの心の中には、もう大蔵省の魂は存在していないのですか?

 

私は財務官僚ではない、大蔵官僚としての

岡本薫明事務次官を見たいと強く願っています。